ジャニーさんから学んだこと
もちろん、ファンを裏切らないために田原自身も努力を怠らない。毎年続けているコンサートだが、そのステージの見せ方はジャニーさんから学んだもの。
「僕は山梨・甲府の田舎で育ったから、ジャクソン5など海外アーティストはジャニーさんに教えてもらいましたね。ジャニーさんは歌もダンスもできないけど、クリエイターとしてショーを作る才能は世界で一番といってもいいと思う。いかにお客さんを楽しませるか。飽きさせないために、僕も今でもコンサートが始まる前は曲の順番や照明のタイミングまでこだわっています。そういう感覚は、ジャニーさんから自然と教わったものなんだろうなって思います」
決して衰えない魅力が再評価され、11年ぶりに大手レコード会社と契約。今月『フェミニスト』を発売する。
「これまでもインディーズでCDは出していたから、自分の中でやっていることは何も変わらない。メジャーレーベルだから、流通や宣伝面でよくなるかもしれないけど、メジャーから出したからといってヒットする保証はないからね」
持ちネタになった“BIG”発言などで笑わせる一方で“まじめにコツコツ”という言葉を何度も口にした田原。それにはこんな思いが。
「懐メロ歌手では終わりたくない。そう言われてしまうキャリアになってしまったけど、新しいことにチャレンジすることで“やっぱり田原俊彦って、スゲーな”って言わせるステージを見せていきたい。そう言われなくなったときが、僕が用なしになるときだよね」
そして、最後にこう言って笑った。
「“田原俊彦”って背負うものも多いけど、背負いがいもすごくあるよ。生きるために今まで走り続けてきたけど、自由も欲しいし、女の子とも遊びたい。それが両立できるのは、やっぱり僕がBIGだからだよね(笑)」