決戦の日が来た。2018FIFAワールドカップ、対ポーランド戦は本日、28日にキックオフ。
日本がワールドカップに初出場したのが'98年のフランス大会だった。その5年前の'93年には、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が発足し、日本のサッカーブームが幕を開けた。
テレビ放送も始まるとブームに拍車がかかり、注目を浴びる選手が続々と出てくるように。中には人気アイドルのように、連日テレビやスポーツ紙を賑わす選手もいたものだった。
筆頭はベルマーレ平塚に所属していた中田英寿選手。そしてヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)の“キング・カズ”こと三浦知良選手。同チームにはほかに武田修宏選手、ラモス瑠偉選手、北澤豪選手が所属していて、彼らも人気だった。
ほかに、ジュビロ磐田の“ゴン中山”こと中山雅史選手、イケメンの川口能活選手。鹿島アントラーズにはジーコ選手。多くのファンが彼らの活躍に熱い応援を送っていた。
選手が注目され始めると、プロ野球選手と同様に、週刊誌の格好の的となったのは言うまでもない。
「まず、彼らの年俸が話題になり、一流プロ野球選手並みに、億単位の年俸を手にする選手も出てきました。当然私生活も派手で豪華になります。高級外車に乗って、夜の街で豪遊する姿が、たびたび写真誌にキャッチされました。
今はすっかりおとなしくなった武田氏なんか、毎晩のように愛車のポルシェに女の子を乗せて焼肉を食べに行ってましたね」(スポーツ紙記者)
芸能界とも深いつながりができて、タレントやモデルと交際する選手も現れ、ますます週刊誌の狙いどころとなった。私も、有名サッカー選手がタレントやアイドルたちと“合コン”している現場に遭遇したことがある。
結果、カズはモデルだった設楽りさ子と、ゴンは生田智子と結婚した。
あれから20年、当時とくらべて、サッカー選手の華やかな生活ぶりが報じられる機会がぐっと少なくなったと感じられる。
「それは、そもそもW杯に出場している有名選手のほとんどが海外のチームに所属していて、日本にいないからです。今、彼らのスキャンダルを追うために、わざわざ海外に記者を派遣するような雑誌社もないですしね。
移籍金が何億円とかいう話は出てきますが、すでに結婚している選手も多く、派手に遊ぶこともなくなりました。海外で、みんなわりとストイックな生活をしています」(前出・スポーツ紙記者)
芸能記者にとってちょっとさびしい気もするが、サッカーファンは、そんな彼らを歓迎しているのでは。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。