茨城県水戸市で動物保護活動をするNPO法人の理事長(55)が、動物を虐待していたというなんとも皮肉な事件が起きた。同県警水戸署は先ごろ、保護する猫を叩いたり、犬の首を絞めたりした動物愛護法違反(虐待)で、理事長を書類送検したという。
暇があれば虐待していた
告発したのは、環境保護団体LIA。ホームページにアップした証拠動画では、理事長が木製の細長い棒で猫を執拗に叩く様子などがわかる。まるで“百叩きの刑”だ。
「前々からいろんな人から情報をいただいて、この理事長を調べていた」(LIA担当者)
と念入りな裏取りの成果を語る。
「日常的に虐待をしていました。暇があれば虐待するということです。何かに怒ってやっているとかではないです。犬の首を絞めている動画がありますが、別に怒ってないんです。首を絞めた後にニンマリ笑顔になっていますから」(同)
と理事長の裏の顔をあぶりだした。
表の顔はなんとも評判のいいそれだった。同NPOの事務所近くに住む古参住民は、
「犬の散歩のときに会えば“こんにちは”ってあいさつするし、人当たりのよい人でした。愛嬌もあるし、いつもニコニコしているし。犬猫の里親を探したり、野良猫の去勢手術などの活動をしていました。地域にも貢献していたのでびっくりしています」
と戸惑うばかりだ。
同NPOのスタッフは、
「理事長は九州の大学出身で、熊本の震災のときも寄付金を募っていたんです。それで熊本の動物病院へ、自分の車で物資などを運んで行ったと聞いていたので、虐待のニュースにはびっくりしました」