9月になり、暮れの音楽賞レースに向け、音楽業界内が少しずつ動き始めている。
「世間一般の注目度は低くなったとはいえ、年末の日本レコード大賞は、日本の音楽業界の最大のイベントですからね」
と、苦笑いの音楽関係者。
「6月にリリースした『Are you Happy?』がスマッシュヒットを記録したモーニング娘。'18(ワンエイト)が大賞候補になる優秀作品賞入りに色気を見せていたのですが、先日、OGの吉澤ひとみがひき逃げで逮捕されたことで、方針を変えるようです」
と続ける。今年、結成20周年を迎えるモー娘。も、とんだとばっちりを食ってしまった。
外国の歌は対象外
優秀賞や新人賞は「音楽業界の力学で決まる」(前出・関係者)という例年通りのやり取りが、秋の業界風物詩として繰り広げられるが、関係者がおいしく処遇したいと思っているアーティストは、今年、再ブレークしたダンスグループ、DA PUMPだ。
楽曲『U.S.A.』が大ヒットし、社会現象化した。
「小学生も通学路で踊っていますからね。この秋の運動会のイチオシナンバーは間違いないでしょう」(情報番組ディレクター)
その認知度からすれば、堂々のレコード大賞候補だが、
「レコ大を主催するのは、日本作曲家協会。日本の音楽を顕彰するというものですから、外国曲の『U.S.A』は、初めから対象外なんです。
今年亡くなった西城秀樹さんが歌った『Y.M.C.A.』も当時大ヒットしましたが、レコ大の対象曲にはなりませんでした」(スポーツ紙ベテラン記者)
とはいえ、乗っからない手はない。
受賞式を放送するTBSは視聴率が欲しい、話題も欲しい、という大人たちの目論見は一致し、
「とにかく出演してもらう。それは決まっています。大人数のダンサーを集めて、ド派手にやってもらう。問題は賞を出すかどうかです。
特別賞とか特別話題賞とか、その都度その都度、新しい賞は作れますから西城秀樹さんのときと違って何とでもできますよ」(前出・音楽関係者)
DA PUMPのISSA(39)は以前、「毎日毎日、驚きの連続で、自分が追っつかない」と話していた。年末に向けまだまだ、再ブレークの風は吹き止みそうにない。
それにしても『U.S.A.』と『Y.M.C.A.』。ちょっと似てる。
<取材・文/薮入うらら>