2009年8月に逮捕された酒井法子は、執行猶予明け後の2012年12月、女優として復帰した。舞台出演でだった。
2016年8月にわいせつ事件を起こした俳優の高畑裕太(26)も舞台で仕事復帰を飾った。逮捕から2年目、2018年8月のことだった。
逮捕翌日にコメントすることではない
「事件からどれくらいたったら復帰できるのか、という明確な基準はありませんが、執行猶予がついていればそれが明けてから。最近、仕事復帰した元プロ野球の清原和博さんは、執行猶予中に野球関連の仕事に復帰しました。要は受け皿があるかどうか、なんです」
と、スポーツ紙記者。とはいえ、罪を償ってから、さて復帰をどうするか、というのが大きな流れだが、先日逮捕された女優の沢尻エリカの場合、
「逮捕翌日の情報番組で、早くも復帰を口にするコメンテーターがいてびっくりしました。今はまだ、そういうことを言うときじゃないだろうと思いましたね」(前出・スポーツ紙記者)
そして復帰の受け皿として、舞台が取りざたされる。「テレビやラジオはCMがあるからダメ、映画も製作委員会に一般企業が入ることが多く難しい。舞台ならいい。見たいお客さんだけがお金を払って見に来るのだから」との論法からだ。
タレントで演出家のテリー伊藤は、沢尻の逮捕直後、「小劇場に出てもいいじゃないか」と、沢尻の復帰を援護射撃していた。
「検察の処分がどうなるか決まる前に復帰を話題にするのは、ずいぶんと気が早い。本人もまだ警察署に勾留されているというのに」
と情報番組デスクもあきれ顔だ。
演劇サイトライターは、
「もともと舞台をやったことのある俳優や芸人が舞台で復帰するのならいいと思いますが、舞台に立ったこともない役者が、復帰の場を舞台に選ぶ、というのは、ちょっと安易すぎる。違和感を覚えますね」
と、テリー提案に首をひねるばかり。
前出の酒井、高畑は舞台経験があり、宮迫は板=舞台で育った芸人ゆえ、舞台での復帰に違和感を覚えない。
いずれ罪を償った後、芸能界かどうかは別として、社会復帰して生きていかなければならない。先日、薬物だけで5度目の逮捕になった元タレントの田代まさしのような転落のスパイラルに落ちないで、誰かが沢尻に手を差しのべることを願いたい。
<取材・文/薮入うらら>