バラドルの旬は短い。アイドルや役者より、参入がしやすい分、入れ替わりも激しいからだ。歌やダンス、芝居に比べ、トークや笑いが簡単なわけではもちろんないが、バラエティー番組には面白くいじるプロがいるので、ある意味、キャラひとつで一時的な人気者にはなれる。
バラドルの「旬」
そんなバラドルの旬を考えるうえで興味深い会話が11月18日『中居大輔と本田翼と夜な夜なラヴ子さん』(TBS系)で交わされた。中居正広の「お気に入り」が野呂佳代ではないかと、菊地亜美が主張したのだ。
「だって野呂さん、中居さんの番組でしか出てるの見たことない。中居さんってやっぱり、ちょっと野呂さんに失礼なんですけど、旬な人じゃないんですよね、(中居の)お気に入りって」
そう言う菊地にしても、ブレイクしたのは6、7年前。こちらも失礼ながら「旬な人」ではない。
また、菊地が旬だったころ、もっと旬だった鈴木奈々も最近はCMくらいでしか見かけなくなった。同じころに売れた水沢アリーなど、2年間の活動休止を経て、復帰後、当時のキャラ作りの行き詰まりについて告白したりしている。
しかし、そんな菊地世代のバラドルたちよりずっと昔にブレイクして、今なお息の長い活躍を続けている人がいる。坂下千里子(44)だ。
'97年に『王様のブランチ』(TBS系)のリポーターに起用され『スリムビューティハウス』のCM「バッチリ、チリ脚」でも注目された。それ以来『笑っていいとも!』『もしもツアーズ』(ともにフジテレビ系)『PON!』(日本テレビ系)といった人気番組に出演。女優や歌をやったこともあるが、基本はバラドルとして生きてきた。
12年前には、テレビ制作会社社員と結婚。2児の母になったものの、ママタレのイメージはさほどない。
現在の地上波レギュラーは『これでわかった!世界のいま』(NHK総合)と『ノンストップ!』(フジテレビ系)の2本だ。前者が日曜の夕方、後者が月曜の午前中なので、彼女を見て、土日の終わりや週のスタートを感じる人もいるだろう。
ちなみに『これでわかった!世界のいま』は国際情報番組。池上彰の出世作というべき『週刊こどもニュース』などと同様、NHKが政治や社会の問題をわかりやすく伝える番組のひとつだ。そのためには、それこそ池上のような先生役(ここでは永井伸一アナ)に「よい質問ですね」と言われて無邪気に喜ぶようなキャラクターの生徒役が不可欠で、坂下はそれをしっかりこなしている。