全国の新規感染者数は2000人を超える日もあり、新型コロナウイルスの猛威が止まらない。

 東京都でも医療崩壊を引き起こすレベルの感染者数と重症者数になりつつある。

 大阪府では新規感染者数、PCR陽性率、感染経路の不明割合など政府の分科会が定めた感染状況の6項目の指標のうち5つがすでに超過。残るひとつの病床の逼迫(ひっぱく)度合いも警戒基準値が目前に。

 11月26日、全世界の感染者数が6000万人を突破。他国で起きているようなパンデミックが日本でも現実のものになろうとしている。

ウイルスが変異する可能性も

 懸念される感染大爆発は起こるのだろうか。専門家に聞いてみると──。

「気温や温度と新型コロナウイルスの広がりやすさに関する研究はいくつかあり、温度・湿度の低い地域では高い地域よりも広がりやすいという結果が出ています。春先のように外出を自粛するなど私たちの行動が変わらない限り、感染者数も重症者数も増えるいっぽうです」

 と、そう遠くない未来に感染爆発が起こることを予測するのはKARADA内科クリニックの田中雅之医師。

 医学ジャーナリストの植田美津恵さんは、2つの可能性を示唆する。

「ひとつは現在の第3波がおさまらずに感染者が増え続けることが考えられます。もうひとつは、この後いったんは落ち着いたとしても、年末年始の人の流れで年明けにまた増える。こうした感染の増加と減少を繰り返しながら、事態は続いていくでしょう」

 年末年始にかけての感染対策が重要なことは明白だが、相手は未知のウイルス。前出・植田さんは警鐘を鳴らす。

「万一、ウイルスが変異することもありえます。そうなれば欧米のような悲劇が起こらないとは言い切れません」

 欧州各国は強烈な第2波に見舞われている。第1波のときのような医療崩壊を防ぐため、夜間の外出禁止や都市間の境界を封鎖、移動を制限するなどの厳しい措置が続く。

 イタリアでは結婚式や葬儀の禁止、日中の外出も制限されている。フランス・パリなどは外出申請書や身分証明書の携帯が義務づけられ、違反者には罰金も科せられる。

 日本でも今のような状況が続けば、私たちの暮らしはどう変わってしまうのか──。