綾瀬の男っぷり、高橋のひたすらかわいい乙女っぷりが話題のドラマ『天国と地獄』(TBS系)。実は、これまでも多くの俳優たちが入れ替わってきたのです――。
入れ替わりドラマの歴史
「綾瀬はるかに壁ドンされて涙ぐむ高橋一生、お互いが入れ替わったあとの演技力がすごい!」(テレビ誌記者)
綾瀬はるか主演の『天国と地獄~サイコな2人~』が16・8%と今期ナンバーワンの初回視聴率を記録した。24日に放送された第2話も14・7%と好調を継続。
「同作は綾瀬さん演じる堅物な刑事と高橋一生さん演じるサイコパスな殺人鬼の魂が入れ替わる男女逆転モノ。脚本は綾瀬さんのヒット作『JIN―仁―』、『義母と娘のブルース』(いずれもTBS系)などで知られる森下佳子さんですからテッパンでしたね」(同)
本作以外にも、これまで数多くの“入れ替わりドラマ”があった。入れ替わりドラマウォッチャーの高橋幸代さんは、
「古くは小林聡美さんと尾美としのりさんの映画『転校生』('82年)からでした」
明るくクラスの人気者の主人公(尾美)のもとにある日突然、転校生(小林)がやってきて、その転校生は実は幼なじみで……。入れ替わる手段として長い石段を転がり落ちるシーンが話題に。
「以降、入れ替わり手法として階段落ちが最も多いパターンです。綾瀬さんの『天国と地獄』も歩道橋の階段落ちでした。
『転校生』の原作は『おれがあいつであいつがおれで』という山中恒さんの児童文学で、その後数回ドラマ化されました。石野陽子さん主演の『転校生!オレがあいつでアイツがおれで』('85年/フジテレビ系)、吉澤ひとみさんと勝地涼さん('02年/TBS系)、蓮佛美沙子さん版('07年映画)もあります」(高橋さん、以下同)
男女逆転ものにはセオリーがある、と高橋さん。
「まず女性になった男性が胸を確認する、それを男性になった女性が阻止するなどのひと悶着が必ずある(笑)。さらに女→男はメソメソ泣き、男→女はひたすら楽観的でがさつというわかりやすさ」
そんな男女入れ替わりセオリーをすべて詰め込んだのが、まだ16歳だった観月ありさといしだ壱成のデビュー作『放課後』('92年/フジテレビ)。こちらも前出の『おれがあいつであいつがおれで』を原作としているが、男女が別の高校に通うなど設定は異なる。
「いしださんのデビュー作。いしださんのフェミニンな雰囲気と男女逆転が見事にはまりました。その後、いしださんを中心とした中性的な美少年のフェミ男ブームが巻き起こったほど。観月さんもガニ股で自分の胸を揉むなど、コメディエンヌとしての才能を開花させていました」