女性が婚活で結婚するときにこだわるのが、お相手の年収でしょう。男性の年収が低いと、婚活アプリでも相談所でも、会おうとしない女性が多いのが現状です。結婚は、日々の生活です。ただ好きな感情だけでお付き合いをしている恋愛とは、そこが違います。ライターをしながら、仲人として婚活現場に関わる筆者が目の当たりにした婚活事情を、さまざまなテーマ別に考える連載。今回は、『男性の年収にこだわることは大切か否か』について考えていきましょう。
自分と同じ年収か、それよりも高い男性を希望
外資系のIT企業に勤める由恵さん(41歳、仮名)の年収は、800万円。入会面談にやって来たときに、こんなことを言っていました。
「ウチの会社の男性は、40代ですと、みなさん1000万円以上稼いているので、できたら、私と同じくらいか、それ以上の男性とお見合いしたいのですが」
そこで、私は言いました。
「800万円以上の男性を限定してお見合いしていくのは、とても難しいのが現状ですよ。40代で800万円以上ある男性は、30代の女性とお見合いをしたがります。また、800万円以上あれば、30代の女性とお見合いが組めてしまいますから」
すると、由恵さんが尋ねてきました。
「平均年収って、どれくらいなんでしょうか?」
厚生労働省の令和元年の調査によると、男性の平均年収は423万円となっています。ただ昨年からのコロナ渦で、今はもっと下がっているかもしれないと、私は由恵さんに告げました。
「えっ、そんなに低いんですか……」
ガックリと肩を落としたようでした。そこで、私は言いました。
「由恵さんの会社にいる男性は、日本の中でもトップクラスの年収を稼いている人たちです。そこを基準にしないほうがいいですよ」
由恵さんは結局、入会はせずに帰って行きました。
高学歴で高年収の女性は、自分と同等か自分よりも高い学歴と年収をお相手に望みます。日本全体の男性を見たときに、そもそもそうした好条件の男性は、ほんの一部。また、歳を重ねるほどに好条件の男性は結婚をしていきますから、お相手探しがますます困難になっていきますよね。