デビュー作『仮面ライダージオウ』に続く特撮ドラマで新たなスーパーヒーローを演じる。役作りに1か月をかけた意欲作への思いとは―。
バリアフリーの大切さを改めて感じました
「面白くて新しい作品だと感じて、絶対に演じたいと思っていたのでオーディションに受かったときはめちゃくちゃうれしかったです」
パラスポーツと特撮ヒーローと青春ストーリーが合体したドラマ『超速パラヒーローガンディーン』(6月26日スタート、NHK総合テレビ土曜午後6時5分~)に主演する。
奥野演じる車いす陸上トップアスリートを目指す高校生が、宇宙人からスーパー・パワーを授かったことから車いすヒーローに変身、地球を襲う怪獣たちとバトル・アクションを繰り広げる異色作だ。
役作りのため撮影1か月前から車いす生活を体験し、パラスポーツの練習と身体づくりのため筋トレに取り組んだ。
「車いすはトイレを使うなど普段やれることが難しかったし、棚の物を取るにしても手が届かなくて人の手を借りることが多く、ちょっとした段差や緩い坂でもとてもきつかったです。そういう生活を体験してみてバリアフリーの大切さを改めて感じました」
競技用車いすを使ってトラックを走る練習では、真っすぐに走る以上に難しいというコーナリングを見事にこなしスタッフを驚かせた。
「僕は400メートルのトラックを1周しただけでバテバテでした。でも第一線で活躍するパラスポーツ選手は1日の練習で20キロを走ると聞いて驚愕、すごさを実感しました」
競技シーンのために筋トレをして体重を5、6キロ増やした。
「華奢な体形の僕が本物のパラスポーツ選手と並んでレースをするのは不自然なので、少しでも近づけるようにしました。1日3食のほかにおにぎり、サラダチキン、バナナなどを間食。体重を増やすことが大事なのでとにかく食べていました。プロテインは朝晩とジムでの筋トレ後と1日3回飲みました。
車いすがスムーズに扱えるようになる。レースでコーナリングが上手になる。身体が徐々に大きくなる。自分に必要なことを身につける準備をして撮影に臨むことは大変だったけど、その役に近づけられたことが楽しく、いままでにない大きな経験になっています」