1年前の9月30日、地元・名古屋でアイドル活動をしていた月乃のあさん(享年18)が市内のビジネスホテルの屋上から飛び降り自殺した。インターネット上の誹謗中傷が一因だった。母親は、月乃さんが活動してきた証として、写真集を作成。今年9月20日には都内でお別れ会をした。
月乃さんが《死にたい》とツイートしたのは自殺の3日前の27日。午前中、SNS「インスタグラム」で、ホテル屋上から動画を配信した。足をぶら下げ泣きながらこうつぶやいた。《(私が)死んだら悪い大人たちちょっとは反省してくれるかな?って思っちゃって》。これを視聴していたファンが場所を特定し、警察に通報。無事に保護された。母親(42)は言う。
「私は当時、脳梗塞で倒れ入院していたため、そばにいてやれませんでした。娘がこの動画を配信中に《死なないと約束できる?》とケータイからメッセージをしました。娘は《できるよ》と約束してくれました。配信後も《すぐ(屋上から)降りなさい》と送ると、《いま帰る》と返事がありました」しかしこの3日後、月乃さんは自殺してしまう。
死の間際の炎上
死のうとしたのは、ネット上で非難されたからだ。きっかけは、5月から働いていたコンセプトカフェ内でのトラブルについてのツイートだった。
「娘は、カフェのオーナーとのトラブルをツイッターでつぶやいたんです。すると、信頼していた女性が娘に怒ってツイートをしたんです。女性の知人2人も加わりました。そのことが原因で匿名掲示板でも叩かれたんです」(母親、以下同)
当時、月乃さんは、精神的に不安定だった。《死にたい》ツイートの2週間前の9月13日、過量服薬(OD)しながら動画配信もしていた。そのことがわかり、脳梗塞で入院していた母親の代わりに、オーナーが月乃さんの部屋に行った。このとき、トラブルが起こった。
「私は娘を信じていますが、『これは、信じる、信じないの問題ではなく、(対人トラブルを)ツイッターにあげてはダメ』と言いました。娘は『わかった』と言っていましたが、トラブルのもととなったツイートを消さなかったんです」
こうしたことがあり、月乃さんはカフェを辞めた。
一年前の9月27日の夜、月乃さんは友人4人と市内のカラオケボックスで一緒に死のうとした。しかし、このうちの1人が通報、警察に保護された。母親の入院先には精神科があるため、母親は病院で待ったが、月乃さんは姿を見せなかった。
「娘は『またアイドル活動を始めるから、入院するわけにはいかない』と言っていました。あのとき、強制的に入院させていれば、と思っています。ひと目会いたかった」