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 2021年も残るところあと数日。やっとコロナの終息が見えはじめてきたが、オミクロン株の出現により再び不穏な日々が続いている。2021年の下半期を振り返ってみると、東京五輪開催や総裁選、眞子さんの結婚など、大きな出来事があった。また芸能界では数々のスキャンダルや、心が痛い社会ニュースも多発した。そこで『週刊女性』と『週刊女性PRIME』が追い続けた下半期のスクープの中から、厳選した記事を再掲する。

 不明瞭な給与形態、労働基準法を無視した過労死レベルの時間外労働─。引っ越し業界最大手『サカイ引越センター』のブラックな一面が浮き彫りになった。同社の20代の社員らは給与や労働環境の改善を求めて労働組合を結成。会社との交渉に乗り出したのだが、現状は熾烈を極めていて……(『週刊女性』2021年11月30日・12月7日合併号)。

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 不明瞭な給与形態、労働基準法を無視した過労死レベルの時間外労働─。引っ越し業界最大手『サカイ引越センター』のブラックな一面が浮き彫りになった。同社の20代の社員らは給与や労働環境の改善を求めて労働組合を結成。会社との交渉に乗り出したのだが、現状は熾烈を極めていて……。

繁忙期は月100時間を超える時間外労働も

 パンダのキャラクターや「勉強しまっせ」や「まごころ」などのCMでおなじみの引っ越し業界最大手の『サカイ引越センター』。

 リーズナブルな価格と、きめ細かなサービスがウリで、引っ越し件数は業界第1位をキープし続ける。しかし──。

「実態は給与形態は不明瞭で基本給は6万~8万円。繁忙期には120時間を超える時間外労働。横行するパワハラ、事故や労災隠しなどが常態化しているんです」

 と言うのは同社で働くサカイ引越センター労働組合執行委員長の大森陸さん(25)。

 大森さんは今年5月、給与面や職場環境の改善を求め、神奈川県川崎市にある宮前支社のメンバーを中心とした労働組合を立ち上げた。

「僕は前職も引っ越し業界。サカイは一部上場企業だし、それなりにちゃんとしているのか、と思い中途採用で就職しました。ですが勤務時間のわりに給与は低く、これらを疑問に思うことがありました。

 上司に尋ねても“本社に聞いておく”とか“また今度”などとはぐらかされ、回答をもらえませんでした。そこで同僚たちと話し合ったところ、きちんと説明してもらい、不明瞭なものに関しては会社と交渉するため労働組合を結成することになったんです」

 メンバーは大森さんはじめ、20代の若者たち。社会運動とは縁遠かった若手従業員と会社との闘いが始まった。

「長時間労働や給与形態などこれまで何人もの従業員が訴えてきても改善されないままなんです。今回も私たちが問題にしているひとつに時間外労働の長さがあります」(組合関係者)

 支社や個人によって異なるが平均月80時間を超え、繁忙期には月100時間以上の時間外労働はざら。

「最高で120時間を超えたことがあります。中には150時間という人もいました」(前出・大森さん)