2月4日、いよいよ北京五輪が開幕する。
「羽生結弦選手(27)の出場するフィギュアスケートは、大会初日から団体戦が行われ、男女シングルの出場選手は試合前日に発表予定です。そして、個人戦は2月8日に男子ショートプログラム、10日にフリースケーティングが行われます」(スポーツ紙記者)
そして、個人戦男子シングルの最注目はやはり“直接対決”だ。
「'14年のソチ五輪、'18年の平昌五輪に続く3連覇を狙う羽生選手ですが、最大のライバルはアメリカのネイサン・チェン選手(22)。羽生選手の右足のケガやコロナの影響で、今シーズン初の直接対決の場が北京五輪となります。
前回の平昌五輪では羽生選手が金メダル、ネイサン選手は5位入賞でしたが、最後まで勝負の行方はわかりません」(同・スポーツ紙記者)
そこで、羽生の活躍が期待される北京五輪を、さらにアツくするQ&Aを徹底取材!
スケート基礎知識 編
まずは、スケートに関する基礎知識。観戦するうえではずせない初歩を学んで、北京五輪に備えよう!
Q.ショートプログラムとフリースケーティングの違いは?
教えてくれたのは、元フィギュアスケート選手の渡部絵美さん。
「ショートは、自分がやりたい技ではなく、定められた技を2分40秒の中で行います。
フリーは、4分の中で基本的には好きな動きをできます。でも、同じ種類のジャンプを2回入れてはいけないなど、細かいルールがあります。
例えば、4回転アクセルがすごく得意だからとすべてのジャンプを4回転アクセルにしても、2回目以降は加点されず、無駄になってしまうのです。
ですが、同じ種類のジャンプを入れる場合は、ジャンプを続ける“コンビネーション”にすれば大丈夫。フリーとはいいながらも実は複雑で、あまり“フリー”ではないですよね(笑)」(渡部さん)
Q.得点を待つ場所は、どうして“キス・アンド・クライ”っていうの?
「演技がうまくできたときはコーチに褒められてキスをされたり、失敗したときは泣いたり……ということからきています」(渡部さん)
羽生は北京のキス・アンド・クライでどんな表情を見せてくれる?
Q.審判の判定が分かれたときは?
「演技の審判は9人いて、跳び方や曲など、それぞれの判断によって点数をつけます。点数が分かれたときは、審判のうち、抽選で選ばれた7人の判定から最高値と最低値を除外した値を、技によって決められた点数に変換し、その平均点を算出します」(渡部さん)
羽生は4回転アクセルの成功を目標に掲げているけれど、ジャンプの回転数や技の成功・失敗の判断はどうしているのか。スポーツジャーナリストの折山淑美さんが教えてくれた。
「9人の審判とは別に、回転数や技を判断する“テクニカルスペシャリスト”という人がいます」
Q.オリンピックでメダルをとると、報奨金はいくらもらえる?
「'18年の平昌五輪では、金メダルを獲得した選手に、日本オリンピック委員会と日本スケート連盟から500万円ずつ、合計1000万円が支給されました。羽生選手は宮城県と仙台市にそれぞれ500万円ずつ寄付しています」(前出・スポーツ紙記者)
北京五輪でも、同額が支給される予定だ。
Q.フィギュア選手のお給料事情は?
フィギュアスケートは、衣装やシューズに交通費、海外への遠征費など、とにかくお金のかかるスポーツ。試合で賞金はもらえても、かかる経費はそれ以上の気がするけれど……。
「羽生選手のように『ANA』などの企業に所属していれば、費用面のサポートはしてもらえます。また、日本スケート連盟の強化選手に選ばれると、ランクに応じた強化費が支払われます。羽生選手の場合は、『ANA』以外にもイメージキャラクターとして『東和薬品』や『P&G』など、多くのCMに出ているので活動費で困ることはないでしょう」(渡部さん)
【北京五輪スケジュール】
2月4日 団体戦 男子ショートプログラム/午前10:15〜(NHK総合)
2月6日 団体戦 男子フリースケーティング/午前10:00〜(フジテレビ系)
2月8日 男子ショートプログラム/午前9:30〜(日本テレビ系)
2月10日 男子フリースケーティング/午前10:15〜(NHK総合)
※団体戦のメンバーは試合前日に発表
※試合日時は1月29日時点で発表されているものです。