最近ではバラエティー番組で“俳句のおっちゃん”として人気の梅沢富美男さん(71)が抱えるのは「老い」への恐怖!その悩みにこたえるのは週刊女性でも人生相談の連載を持ち、史上初の女性ヒマラヤ大聖者となった相川圭子さん(77)。「梅沢さんは、まだまだ成長されてますね」と“魂の磨き方”を伝授した!
ヨグマタ 以前テレビの対談番組にゲストで来てくださって。
梅沢 2年前でしたね。今回、再会ですがよろしくお願いいたします。
ヨグマタ こちらこそよろしくお願いします。梅沢さんは、舞台、テレビで大人気ですが、子どものころからご両親と一緒に地方を回って、苦労も多かったのでしょう。
梅沢 苦労というよりも、僕たちは先祖の代から「血筋じゃない」ってだけで、歌舞伎の人たちに役者として認めてもらえませんでしたからね。必死になって演劇を学んで、一生懸命やったって、役なんてつかずにいつまでもその他大勢。
それじゃあって、僕らのご先祖さまがわかりやすくておもしろい演劇を自分たちでつくろうって集まった。それがいわゆる旅芝居、ドサ回りの演劇集団なんですよ。
ヨグマタ お父さまは「梅沢劇団」を立ち上げた方ですよね。
梅沢 そうです、そうです。僕は、親父やおふくろに「おまえたちは見せ物だよ。お客さんにお金を払って演劇を見てもらっているんだ。だからお客さんのことだけ考えてればいい」って育てられたんです。なのでいつもお客さんに気持ちよく帰っていただくことを考えています。
ヨグマタ 今や劇団の座長ですものね。でも例えば、舞台が終わったあと、今日の演技はうまくいかなかったと思い返したりしませんか。
老いを受け入れたらとたんに老け込む気がして
梅沢 過去をいくら振り返っても戻ってきませんから。うまくいくときもあるし、いかないときもある。「人生70点主義」で、100点は難しいけどせめて70点を目指して頑張ろうってやってきたんです。
ただ72歳になって最近感じてるのは、昔はパッパッと普通にできたことが、やることなすこと、ワンテンポ、ツーテンポ遅れちゃうんですよ。
ヨグマタ 年齢を重ねると、昔できたことができなくなることはよくありますよね。
梅沢 どうしたんだろうこんな簡単なこと……これは何とかしなきゃいけないって思って、ずっと70点主義だったのに、80点、90点目指して頑張っちゃうんですよね。
ヨグマタ 梅沢さんは常にお客さんに見られているお仕事ですから、つい頑張りすぎてしまうこともあるかもしれませんね。
梅沢 実は無理して失敗したことがあります。以前ドラマでがんの患者役をやったときの話なんですが、げっそりやせようと思って、水も飲まずに酒だけ飲んで2日間一睡もせず麻雀をやり続けたんです。
げっそりやせたはいいけど、本番前に仮眠したら、顔がパンパンにむくんじゃって(笑)。ひどい状態で、あのときは役者失格だと思いましたよ。
ヨグマタ サービス精神が旺盛なんですね。でも無理をして喜ばせようとするのは心の欲です。欲を落として焦らないのが肝心。
梅沢 先生に言われると素直になりますね(笑)。この年になっても若いって思っているからか、つい頑張りすぎてしまう。衰えを感じても、老いを受け入れられない部分があって……。衰えを受け入れた瞬間に、グッと老けるような気がしちゃって。
ヨグマタ 怖いんですよね。私は瞑想を教えていますが、瞑想すると心の執着が溶けてエネルギーに満ちてきます。すると、今が最高の自分だと信じることができるようになり、恐れることなく老いを自然に受け入れることができますよ。
梅沢 うーん、なるほど。やってみようかな(笑)。