「昨夜まで行こうかどうか、迷っていたんですが……」
礼服姿の女子大学生・Aさん(19)はこう話す。彼女は大阪から朝6時の新幹線に乗ってきたという。
27日14時ごろから行われた安倍晋三元首相の国葬。会場である東京・千代田区の日本武道館にほど近い場所に一般向けの献花台が設けられた。Aさんは国葬に対して賛成でも反対でもなかったが、
「実際に行ってみなければわからないと思って、来てみたんです」
すると、思った以上に一般の弔問客が多くて驚いたという。弔問の列は午後2時半時点で、献花台からおよそ3キロもの長さになっていた。
献花に並ぶ人の数にまさるとも劣らなかったのが、“国葬”反対を訴えるデモの参加者だ。 国会前だけでなく、日本武道館周辺でも行われていて、警察官との小競り合いも見られた。
まるでリオのカーニバルか、ハロウィン
「まるでリオのカーニバルか、ハロウィンですよ。ここぞとばかりに騒いでいた印象」(献花台の参列者)
そんななか、複数の警察官に囲まれている男性が。話を聞いてみると、
「反対デモの参加者にヤジったら、いきなり警察官に囲まれて……」
国葬に対して賛成派の男性。
「国葬の決定が、政府の独断で早計だというのはわかる。でも、もう始まってしまったものに対して、大騒ぎするのはいかがなものか。外国人記者も来ているというのに、このバカ騒ぎが世界じゅうに知れ渡ってしまうことは日本人として恥ずかしい限りです」
この男性は献花に訪れたのだが、あまりの長蛇の列に諦めたという。
別の場所で、警察に囲まれた女性にも話を聞いた。
「私もとくに国葬に賛成、反対とかはないんです。ただ、反対デモの参加者が“今日は祭りだ!”とか、フザけたことを言っていた。それで“いい加減にしろ!”と言っただけで、警察に囲まれたんですよ。いくらなんでも、あれはヒドい。やりすぎですよ」
最高レベルの警備体制の歪みか。複数の警官に囲まれる一般人が多数、目撃された。