目次
Page 1
ー アニメが一大カルチャーに
Page 2
ー J-POPのTシャツはまだシャレ
Page 3
ー “ヴィンテージユニクロ”が生まれる可能性

 

 フリマアプリやオークションサイトが一般化し、転売は身近なものに。手軽に自身の持ち物を売りに出し、大きな利益を生むことは珍しくない。そんななか高騰している“意外”なものが……。アニメのTシャツ。そう聞いて思い浮かぶのは、“オタク”ではないだろうか。

「原宿の有名古着店をいくつかリサーチしましたが、一番多かったのが『ドラゴンボール』。その他、『NARUTO』や『るろうに剣心』、『鋼の錬金術師』などの'90年代〜'00年代のTシャツに高値がつけられていました」

アニメが一大カルチャーに

 そう話すのは、ファッションアナリストの山田耕史さん。これらの漫画から始まり、アニメ化された作品たち。それぞれ大ヒット作品ではあるが、“ファッションアイテム”とは言い難いだろう。

「高値がつけられたアニメTシャツの多くに共通しているのが、日本ではなくアメリカ企画であるものやアメリカ製のボディであること。アメリカ企画と思われるドラゴンボールのTシャツはかなりダメージがある状態でも、1万円オーバーの値段がついていました」(山田さん、以下同)

 今、このようなアニメTシャツは、雑誌に紹介されたり、SNSで多くのフォロワーがいるような有名店・高感度な古着店で販売されている。

「'80年生まれの自分の場合、特に思春期だった'90年代は“アニメ=オタク”というイメージが強く、ファッションとはかけ離れた存在でした。しかし、'95年にTV放送が開始された『新世紀エヴァンゲリオン』が社会現象と呼ばれるくらいの大ヒットを記録。

 その後'00年代から'10年代にかけて、アニメの認知が徐々に広がり、人気がマス層まで拡大しました。また、'90年代には海外で日本のアニメが『ジャパニメーション』と呼ばれ、高い評価を受けるようになります。  その他、村上隆氏に代表されるアニメをモチーフにしたアーティストの活躍や、『初音ミク』のヒット、『ポケモン』や『遊戯王』といったのアニメと同時展開されたゲームの人気などにより、“アニメ=クール”という印象が高まり、今やカルチャーと言える存在になっています」