「被害女性は見たことがない。この事件で初めて、近くに住んでいたことを知った」
と近隣住民の多くがそう口を揃えた……。
静岡県警磐田署は23日、同県沼津市の会社員・土屋勇貴容疑者(31)を死体遺棄の疑いで緊急逮捕した。容疑者は21日、交際相手の同県磐田市の会社員・伊藤亜佑美さん(33)の遺体を自宅に遺棄したというもの。
「2人は21日の夜、静岡駅近くで待ち合わせ、伊藤さんの車で静岡市清水区の山中に向った。そこで容疑者は、あらかじめ購入していたハンマーで伊藤さんの頭部を数回にわたって殴り、携帯電話の充電器のコードで首を締めて殺害したようです」(全国紙社会部記者、以下同)
司法解剖によると、死因は頭部打撲による外傷性くも膜下出血と、頸部圧迫による窒息死によるものだという。
遺体をバラバラにして自宅、車の中に隠した
「殺害後、容疑者は伊藤さんの車を運転して、自宅へ遺体を運び、風呂場で電動のこぎりを用いてバラバラにし、その一部を3階のベランダ、自分の車、亜佑美さんの車に隠した。そして、亜佑美さんの車は500メートルほど離れたコインパーキングに放置した」
警察の取り調べに、容疑者は死体遺棄容疑を認めたうえ、伊藤さんの殺害についても関与したと供述。同署は殺人を視野に捜査を続けている。
容疑者がバラバラにした死体を遺棄した自宅は3階建ての一戸建て。そこには実父と妻、幼い子ども2人と同居していた。つまり、容疑者と被害女性は不倫関係であり、容疑者は“交際を巡りトラブルになっていた”などと供述している。
事件当日、彼らの何度目の話し合いだったのだろうか。
「準備の周到さを考えると、土屋容疑者が殺害を計画していたことは明らかだ」
土屋容疑者は地元の沼津市で育ち、都留文科大学を卒業後はホテルマンに。副支配人までなったが、2年前に大手保険代理店の販売員職に転職。
「転職理由は“保険業界に興味がある”とのことでした。これまでトラブルや問題などはお客さまを含めてなく、社内のコミュニケーションも良好な状態でした。弊社の社員がこのような事件を起こしたことは誠に遺憾です」(保険代理店広報担当者)
地元愛が強かった土屋容疑者は、草野球をやっていたほか、三島の青年会議所にも所属。そこで同じく磐田の青年会議所のメンバーだった亜佑美さんと、静岡ブロックの年に2回ほどの集まりで出会ったのだった……。