英オーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』で日本人初の決勝進出を果たした、とにかく明るい安村(41)。「ドントウォーリー、アイム、ウェアリング!(安心してください、はいてますよ)」という鉄板ネタは、なぜウケたのか。さらに、渡辺直美やゆりやんレトリィバァなど、海外で活躍する芸人たちのコミュ力について、英語指導歴30年の廣津留真理さんが解説。
安村は英語のコミュニケーション能力が高い
イギリスの人気オーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント(BGT)』に出場し、ワイルドカード枠で決勝進出を果たしたとにかく明るい安村(41)。優勝は逃したものの、決勝進出は日本人初の快挙で、その模様は日本でも大きく報道された。
安村のネタといえば、「安心してください、はいてますよ!」でおなじみの裸(パンツ)芸。BGTでも同様のネタを「ドントウォーリー、アイム、ウェアリング!」と直訳で披露している。その発音はカタコトでいわゆるカタカナ英語だが、語学力抜きでなぜここまでウケたのか。
「安村さんは英語のコミュニケーション能力が高かった」
というのは、英語指導歴30年、ディリーゴ英語教室代表の廣津留真理さん。英語力には大きく分けて2つの種類があるという。
「ひとつは人と仲良くするコミュニケーション英語で、ひとつはTOEFLやTOEICで高得点を取るような“点を取る英語”。どちらもできたら完璧ですけど、安村さんは前者のタイプ」(廣津留さん、以下同)
安村のコミュ力は英国人の心をつかんだ。「アイム、ウェアリング!」のカタカナ英語に、観客は「パンツ!」とライブ会場のコール&レスポンス的に応え、大盛り上がりになった。
安村のほかにも海外進出を目指す芸人は多い。ゆりやんレトリィバァは2019年6月にアメリカのオーディション番組『アメリカズ・ゴット・タレント(AGT)』に出場。
胸元のざっくり開いた星条旗柄の水着と奇妙なダンス・パフォーマンスで会場の度肝を抜き、審査員との掛け合いでは流暢な英語で観客の笑いを誘った。しかし英語のコミュ力が高いかというと、廣津留さんは首をかしげる。
「ゆりやんさんはとても上手に喋っていますよね。ご自身も英語を学ぼうという気力があるように感じます。ただ昨今の風潮を考えると、TPOを読まずに自己主張しすぎる人というのは外国でも引かれてしまう。傷つけるつもりじゃないのに傷ついてしまう人がいるかもしれない。何でも傷つかれちゃうから、今の時代は難しい」