日常の気になる疑問を解決!どうして秋の月はきれいなの?知って楽しいおもしろ雑学を友達や家族にも教えてあげよう。
知って楽しい!おもしろ雑学
Q.どうして秋の月はきれいなの?
A.空気中の水蒸気量が少なく、地球から見た月の高さもちょうどよいからです。(惑星科学者 寺薗淳也さん)
お月見団子を食べたり、ススキを飾ったりと、9月は月を愛でる季節。一年でもっとも月が美しいとされる「中秋の名月」も9月だが、なぜ月の見頃は秋なのか。
疑問に答えてくれたのは、元JAXA(ジャクサ)の広報担当で、惑星科学者の寺薗(てらぞの)淳也さんだ。
「秋に月がきれいに見える理由は2つあります。1つ目は、空気中の水蒸気量が少ないことです。水蒸気の量が少ないと大気がぼやけないので、月がくっきりとして見えます。
逆に夏は水蒸気量が多く、春は空気中にチリや花粉、近年では黄砂などの影響もあり、秋ほどくっきりは見えないのです」(寺薗さん、以下同)
冬は空気が乾燥していて、春や秋よりは月が見えやすいが、月の高さの問題が関係してくるという。
「これが、2つ目の理由です。実は、月が見える高さは季節によって異なります。これは、地球が20度ほど傾いた状態で、太陽の周りを回っていることが影響しています。冬の月は、地球から見えると空の高い位置にあって、逆に夏は低い位置にあるのです」
冬のあいだ、ほぼ真上にある月を見上げるのはなかなか大変。その点、秋は月の高さもちょうどよく、空気が澄んでいるので鑑賞するのにちょうどいい季節なのだ。
「今年の中秋の名月は、9月29日。観測におすすめの時間は、月が雲のある位置よりも高く昇る21時から午前0時頃です。南から南東の方角を探すとすぐ見つかると思います」
秋は気候もちょうど良い季節。今年は夜風を浴びながら、ゆっくり月を見上げてみてはどうだろう。