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ー 「ギリギリ」「最後」と隣り合わせ
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ー “一人でも生きていける強さ”

 親ガチャ、という言葉がある。「子どもは親を選べない」ことから「人生は親次第で決まる」という傾向を表す最近の流行語だ。マイナスな意味で使われがちだが、生まれた瞬間が運命の分かれ道だというのは一種の真実だろう。それをわかりやすく示すのが、2世芸能人だ。生まれたときから注目され、親と同じ道に進めば「七光」などと言われたりする。

 NHK朝ドラ『ブギウギ』に主演中の趣里も、2世。父は水谷豊で、母は伊藤蘭だ。

 ただ、彼女は当初、親と同じ道を志さなかった。幼少期からバレエに熱中、中学卒業後は英国に留学して一流を目指した。しかし、ジャンプの失敗で大ケガを負い、バレリーナへの夢を断念。「すべてを失った気持ちになり」帰国後は「ひきこもりみたいだった」とインタビュー(『FRaU』)で振り返っている

 そんな中、同じ表現芸術である舞台の魅力に目覚め、女優へと進路変更。これは「七光」というレッテルを貼られ、親と比べられる生き方でもある。実際、2011年に『3年B組金八先生ファイナル』(TBS系)でメインの生徒役としてデビューしたものの「地味」「どちらにも似ていない」などと言われたりした。

「ギリギリ」「最後」と隣り合わせ

 そこから12年、朝ドラヒロインにまで上り詰めることができた決め手は何だったのか。

 月並みだが、それはバレエで培われた「努力」する才能だろう。この「ブギウギ」でも、苦手だったという歌の技術を飛躍的に磨き上げ、東京出身ながら大阪弁をほぼ完璧にマスター。また、主人公のモデルである笠置シヅ子のイメージに寄せるため、逆ダイエットをしたという

 そういう人だから「運」をつかむこともできる。実は、彼女の芸歴には「ギリギリ」とか「最後」といった言葉がよく絡むのだ