目次
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ー 42件の通報が
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ー 迷惑行為はほかにも
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ー 父親は「愛のムチ」

「例の金髪、サングラス、黒ずくめの服装で自転車に乗り、この周辺をうろちょろしていたよ。すっかり有名人だから目撃情報はいろいろなところから入ってくる。でも、また犯行を繰り返すとは思わなかった。なんにも懲りてないじゃん」

 と話すのは千葉県柏市の容疑者の地元に住む男性。

 皮肉交じりに有名人と言われたのは同市在住の成島明彦容疑者(36)。埼玉県桶川市で2020年3~10月にかけ、ドロップハンドルのロードレース用自転車で対向車の前に飛び出しフェイントをかけるなど危険なあおり運転を繰り返し、『週刊女性』やワイドショーをはじめ多くのメディアが逮捕を報じた“ひょっこり男”である。

 あれから約4年、地元・柏市に戻っていた成島容疑者は再び自転車で対向車の通行を妨げたとして千葉県警柏署に道路交通法違反(妨害運転)の疑いで逮捕された。

 市内の実家周辺から離れたエリアの木造賃貸アパートで1人暮らしだった。

「5月9日午前7時半ごろ、複数の私服警察官が容疑者の部屋をノックし、“起きて~”などと呼びかけていた。部屋から出てこなくて30分ぐらい手こずっていたようだったが、最後は覆面パトカーにおとなしく乗せられていった」(目撃した近隣住民)

42件の通報が

 県警によると、4月15日午後0時39分ごろ柏市松ケ崎の市道を自転車で走行中、対向車線の50代女性が運転する乗用車に接近し、衝突回避の措置をとらせた疑い。

 警察の取り調べに対し、

「普通に自転車に乗っていただけで、対向車に危害を及ぼすような運転はしていない」

 と容疑を否認している。

「柏市や我孫子市で今年1月以降、類似事案の通報が計42件あった。例えば“自転車が対向車線にはみ出して妨害していた”とか“サングラスをかけた男が自転車で蛇行運転をしている”など。通報を受けて現場に急行しても、自転車はどこかに走り去ったあとだったが、関係者の協力を得られ、ドライブレコーダーや周辺の防犯カメラの映像解析などから逮捕に至った」(捜査関係者)

 警察への通報は1月に4件、2月6件、3月14件、4月12件、5月は8日までに6件とおさまる気配がなく、重大事故を引き起こす前に検挙できたのは幸いだった。同署は同じような犯行を繰り返していた可能性があるとみて捜査を進めている。