目次
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ー 野性味と大人の女性のイメージを表現した葉月版『コブラ』
Page 2
ー 40歳で一念発起し、車に身の回りのものだけ詰め込んで上京
Page 3
ー 南魚沼で凱旋コンサートも実現
Page 4
ー 女優業、フランスでのステージ……挑戦は限りなく続く

 

 1980年代に一世を風靡したTVアニメ『スペースコブラ』をご記憶のアニメファンは少なくないだろう。

 昨年(2023年)亡くなった漫画界の巨匠寺沢武一の原作で、フランスをはじめ海外でも評判を呼び、半世紀近くを経た現在もテレビの再放送や配信での放映が続くSFアドベンチャーだ。

 主題歌も元ペドロ&カプリシャスのヴォーカリスト・前野曜子が歌ってヒットした。このほど、その名曲『コブラ』が新潟で苦節10年、40歳で上京して念願のメジャーデビューを果たした歌手の葉月みなみによってカバーされ、令和の時代に蘇った。

 カバー曲にこめた思いや、一念発起して新潟から上京し歌手人生が180度変わったという劇的ストーリーを、葉月さんに聞いた。

野性味と大人の女性のイメージを表現した葉月版『コブラ』

「2022年に『レイニー・バスステーション』という曲を世界185カ国に配信して以来、世界を意識しながら歌ってきました。世界配信第6弾となる今回は、海外に向けてよりアピールできる楽曲をということで、フランスをはじめ各国で人気の高いアニメ作品の主題歌のカバーに挑戦したんです。

 前野さんのカッコいい元歌のイメージがすっかり定着しているところに、どうやって葉月みなみの色を出していくかに悩み、プロデューサーの岩尾(三四郎)さんとも相談しながら、パンチを前面に押し出しつつ、これまでとは違う大人の女性のイメージを意識しながら歌いました。そしたら、野性味溢れる感じがいいねという評価もいただき、仕上がりには満足しています

 原作者・寺沢武一氏の1周忌の9月8日には、開催中だった原画展にも足を運び、繊細なタッチに圧倒され、原作の独特の世界観にどっぷり浸ることができたという。

欲しかった、主人公のキャラクターが描かれたコブラTシャツも購入し、それを着てレコーディングに臨みました

葉月みなみさん
葉月みなみさん

 歌うことが大好きで、演歌や歌謡曲ばかり聴いて育った葉月さんは、幼い頃から歌手への夢を抱き、小学校の卒業文集にも「将来は歌手になる」と記した。4歳からピアノを習い、小学生でフルートを始めるなど、歌にとどまらず楽器演奏でも才能を磨いた。

 その一方、高校では書道部に入り、いろいろな賞をもらうほど熱心に取り組み、大学は音大ではなく文学部に進んで書道を専攻。

当時はまだ、『書道ガールズ』の世界のような派手なパフォーマンスの大会はなく、個人でひたすら地道に練習していました。でもそのおかげでお礼状やサインもきれいに書けますし、ジャケットのタイトルも、『コブラ』以外は全部私が書かせてもらいました。

 曲のイメージに合わせて文字の雰囲気を変えていますが、それが自在にできるのも書道を習ったおかげ。本当にやっていてよかったです

 美しい文字に季節の風物などの絵を添えた絵手紙も得意で、もらった人に強い印象を残している。身体を動かすことも好きで、大学時代は躰道という、沖縄の玄制流空手をルーツとするアクロバティックな武道にも打ち込んだ。

前方宙返りやバク転をしながら、3次元空間を使って技を繰り出すような見ごたえのある武道で、私も当時はバク転してましたね。今はもう無理ですけど(笑)