「悪者は1人もいない」
11月28日に報道陣の取材に応じた、バスケットボールの元NBA選手で、現在はBリーグ『千葉ジェッツ』でプレーする渡邊雄太選手(30)。NBA『ロサンゼルス・レイカーズ』所属の八村塁選手(26)による“反乱騒動”について私見を述べた。
発端は13日のレイカーズ試合後に行われた会見で、日本代表チームのヘッドコーチにトム・ホーバス氏(57)の続投が決まったことを受けて、
「アスリートとしてプロとしてやっていた、プロとしてもコーチをやったことのある、そういう人がコーチになってほしかった」
現役バリバリのNBAプレーヤーだからこその発言か、NBAでのプロ経験が少ない、またヘッドコーチ経験がないホーバス監督は“代表コーチとして相応しくない”とダメ出ししたことに始まる。加えて冒頭の渡邊によると、
「八村選手とホーバス監督の関係があまり良くなかった。それは事実としてある」
2023年のワールドカップ不出場だった八村に対し、「代表に参加したいなら自分から連絡してきてほしい」とのホーバス監督の談話が湾曲して伝わり、これに不信感を覚えたことで関係が悪化したという。
今回、八村に直接意思確認をした上で取材に応じ、ホーバス監督にも「日本代表のヘッドコーチとして誰よりもふさわしいと思っている」と明言した渡邊。さまざまな憶測が飛び交う中で、関係が拗れることを危惧したのだろう。イチ選手であるにもかかわらず、自身が“矢面”に立つようにして事実を明かしたのだった。
片や、渡邊が参加するプロリーグ『Bリーグ』や、日本代表チームを統括する日本バスケットボール協会(JBA)。渡辺信治事務総長は11月20日に「(八村の)発言は重く受け止めている」として、八村の代理人事務所「ワッサーマン」ともコミュニケーションをとったことを報告。
代理店とテレビ局だけでウハウハやっている
その中で、「八村選手を商業目的のために引っ張った意図はなかった」とかけられていた“疑惑”も否定。これは八村が自身のSNSで繰り返した、一般ユーザーによる“協会批判”投稿をリポストへの対応と見られている。彼がリポストした中には、
《男子バスケ界隈の拝金主義も完全に八村の言う通りだ。日本国内の一過的なバスケブームは代理店とテレビ局が強引に作ったものだ。そのアコギなやり方に嫌気が差してエースが代表に寄り付かなくなるのはまさに本末転倒である。八村そっちのけで国内の代理店とテレビ局だけでウハウハやっている構図》
近年の日本代表チームの目覚ましい躍進は、選手やチームのレベルアップ、指導するホーバス監督の手腕によるところが大きいのだが、それをテレビ局、広告代理店が“金儲け”に利用している。との推測に、八村が“同意”したということかーー。