3夜放送の『永遠の0』(テレビ東京系)で、現代ドラマに本格出演を果たした尾上松也。
「そんなに映像経験が豊富ではない中、声をかけていただけ、光栄でした。しかも、重要な役どころで。不安はありましたが、とにかくすごくいい作品なので、精いっぱいお力になれれば、と思いました」
娘に会うまでは死ねないと、第二次大戦下に命を惜しんだ天才零戦パイロット・宮部(向井理)。彼を殺したいほどに憎み、戦後は暴力団幹部となったパイロット・景浦介山を演じている。梨園のプリンスとはほど遠いイメージの役柄に戸惑いは?
「特にクセのある役ですから、非常にやりがいを感じましたね。ただ突っ張っているだけではない、その奥の繊細さ。そして、どういうふうに宮部を思っていたのか。本当に挑戦しがいのある役でした」
介山になりきるべく、丸刈りに。抵抗はなかったかと尋ねると、
「以前、坊主にしたとき、すごく不評で(笑い)。自分でも似合うとは思ってないので、個人的な趣味ではないんですが、これだけの作品ですからね。坊主にして、少しでも役に近づけるのであればと、喜んでさせていただきました」
役者だから当たり前だと笑う。朝6時まで御殿場で撮影し、都内に戻って10時半には舞台に立っていたことも。
「休み? 全然ないですね。ないですけど、別に休みたいとも思わないですね。仕事は楽しいですし、いろんなところに呼んでいただけることは、1人の人間としてありがたいし、役者としての幅を広げられるチャンスだと思っているので」
松也自ら、事務所に“時間が空いているなら、どんどんスケジュールを入れてください”と頼んでいるのだそう。
「あえて言うなら、早起きが苦手で。なので、365日、昼以降であれば、お休みなんていりません」
ドラマ、ミュージカル、バラエティー番組……その活躍は歌舞伎の枠にとらわれない。
「僕という役者を知ってもらい、少しでも興味を持ってもらったら、歌舞伎にも是非来ていただきたいという気持ちが、どんな仕事をさせていただいているときも、常にありますね」