目次
Page 1
ー 不倫における“罪と罰”のバランス
Page 2
ー 斉藤由貴の“過去の不倫”との違いとは
Page 3
ー 人生最後にして最大の恋なのか

 

「ヤバい女になりたくない」そうおっしゃるあなた。有名人の言動を鋭く分析するライターの仁科友里さんによれば、すべてのオンナはヤバいもの。問題は「よいヤバさ」か「悪いヤバさ」か。この連載では、仁科さんがさまざまなタイプの「ヤバい女=ヤバ女(ヤバジョ)」を分析していきます。

第110回 斉藤由貴

 女優の斉藤由貴さんが歌手デビュー40周年を迎え、全国ホールツアーを開催するそうです。そのプロモーションも兼ねてでしょう、斉藤さんは2月17日放送『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に出演し、3人のお子さんの子育てと仕事の両立に奔走したこと、お子さんが成人を迎えたことでさみしさもあることを明かしました。

不倫における“罪と罰”のバランス

『徹子の部屋』と言えば国民的トーク番組ですから、まさか黒柳さんが「まぁ、あなた、そんなことより、不倫なさったんですってね? どうして不倫がやめられないのかしら」などと聞くわけがない。俳優たち自らプライベートを明かすのは『徹子の部屋』の楽しみとも言えますから、斉藤さんがお子さんの話をするのは当然のことです。

 しかし、斉藤さんのように不倫騒動を起こした人にとっての正念場とは、実は「騒がれなくなってから」のように思うのです。斉藤さんも気を抜くと、逆風がふいてイメージダウンする可能性があるのではないでしょうか。

 ここで斉藤さんの不倫の顛末を振り返ってみましょう。斉藤さんが『週刊文春』に男性医師との不倫を報じられたのは、2017年のこと。斉藤さんは当初は男性はかかりつけ医で、家族ぐるみのつきあいであると不倫関係を否定。しかし、写真週刊誌『FLASH』に自撮りキス写真と、男性が斉藤さんのものとおぼしき下着を被った写真が掲載されたことで、不倫を認めざるをえなくなります。

 斉藤さんはマスコミに向けて男性との関係を清算したことを報告し、相手の家族に謝罪するコメントを出しました。視聴者からのクレームを恐れたのでしょうか、斉藤さんは翌年の大河ドラマ『西郷どん』の出演を辞退したのでした。

 数々の芸能人の不倫を見ていると、世間サマが忘れてくれる不倫と、いつまでも引きずる不倫があることに気付きます。その違いは“罪と罰”のバランスではないかと思うのです。日本に姦通罪はありませんが、不倫というのは倫理的にほめられたことではありませんし、それを肯定するなら、世の中はめちゃめちゃになってしまいます。逆に言うと、それだけの報いを受ける覚悟があるのかが問われており、罪と同じくらいの罰、もしくは罪より少し重い罰を受けるのならば相殺されて許されると思うのです。

 上述したエピソードで具体的に考えてみましょう。斉藤さんの罪とは、
・よその夫と不倫をした ・不倫がバレたら、ウソをついた ・不倫が報じられたことで、あちらの家庭(妻子)に迷惑をかけた。
 と言えるでしょう。

 それに対し、斉藤さんがうけた罰は、
・人に見られたくないキス写真、下着被り写真をさらされてしまった ・不倫相手と別れるはめになった ・仕事にも影響が出て、大河ドラマという大きな仕事を降板するはめになった
 と言えると思います。