inagaki1219

 女性読者300人にアンケートした『クリスマスソング』ランキングで5位に選ばれたのは、92年にヒットした稲垣潤一が歌う『クリスマスキャロルの頃には』。

「最初に作曲家の三井誠さんからあがってきた原曲が素晴らしくて、すごい曲になると確信しました。だけど、この曲は初めからクリスマスソングとしてできたわけではないんですね。原曲が作られたのは'90年のこと。サビの部分があまりにもよすぎるので、その後2年ほどかけてほかのパートをよりよくするための直し作業を行っていたんです」

 '92年の夏になり、次に出すシングル曲を選ぶことに。ストックしていた『クリスマスキャロルの頃には』以外に、もう1曲候補があったという。

「それで、作詞を担当することに決まっていた秋元康クンに聴かせたら、『クリスマスキャロルの頃には』の曲がすごくいいと。ドラマのプロデューサーにも聴いてもらったら、同じように『クリスマスキャロルの頃には』を気に入って」

 そこで初めてTBS系ドラマ『ホームワーク』の主題歌になることが決まったそうだ。

「ドラマの内容が、この男女はクリスマスのころにどういう答えを出しているんだろうというものだったので、それと歌詞をリンクさせたんですね。初めは歌詞の中に『クリスマスキャロル』というフレーズが8回出てくるのが、ちょっとくどいかなと思って秋元クンに相談したんです。そうしたら、逆にこのくどさがいいんですよと言われて。それもそうだなと納得したんです」

 『クリスマスキャロルの頃には』はデビュー10周年目に出した曲。

「そんな感じで三井さんの曲に秋元クンの詞が乗り、清水信之さんのアレンジと、三拍子そろったすごい曲になりました。それまで『ドラマティック・レイン』が僕の名刺がわりともいえる曲でしたが、節目の年に再びヒット曲を出せたのはうれしかったですね」

 当時はこれほど長く愛されるとは思っていたと語る。

「僕自身もこのシーズンになるといろんな場所で耳にしますが、買い物中にBGMでかかっていると、思わず歌いそうになります(笑い)」

 最近は稲垣のディナーショーをメモリアルにするというカップルや夫婦が増えているという。

「すごくうれしく思っています。今年も、これからライブで各地を回るので、『クリスマスキャロルの頃には』の曲を筆頭に、ステージを盛り上げていきたいです」