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 浅田舞がバラエティー番組である選手からのイジメ体験を告白して話題を集めたが、フィギュア界の軋轢は選手同士の軋轢だけではない。テレビ局同士も、醜い争いを繰り広げているという。

「フジテレビは安藤美姫、テレビ朝日は浅田真央と良好な関係でしたが、逆はNG(苦笑い)。ミキティのママと真央ちゃんのママが犬猿の仲だった煽りを受けた格好です」(広告代理店関係者)

 最近では、高橋大輔にベッタリだったフジテレビが、3月にフジ系列のスポーツ担当者の幹部会で、羽生結弦の母との関係を強める方向で話し合いがあったという。

「連盟が羽生の母親に冷たい仕打ちをしていることを知り、フジは羽生サイドと距離ができていた。無視していたツケが大きく、そこへ入り込んだのがテレ朝だったんです」(前出・代理店関係者)

 確かに、浅田真央や羽生結弦のような五輪メダリストになれば、テレビ局にとって、引退後の関係が視野に入るというもの。ふたりは高視聴率を生み、番組スポンサーを呼んできてくれるからだ。

 そんな大人たちの争いを知らずか、第2の浅田真央、羽生結弦を夢見るジュニアたちが銀盤に集まってくる。

「昔からフィギュアはお金のかかるスポーツ。例えば、ノービスクラス(小学生)の試合用衣装代はオーダーメードで5万円から10万円ほど。だからこそ、羽生クンの母のように手作りする人もいますよ」(民放テレビ局記者)

 スケート靴になると、趣味で楽しむならブレード(刃)とセットの靴で約1万円ほど。だが、ジャンプやスピンに耐える競技用となれば、オーダーメードで1足10万円以上に跳ね上がる。

「実績を積み、強化選手になれたとしても、幼稚園からスタートし20歳で五輪出場を果たすまでの試算は、おおむね1億円以上と言われます」(スポーツライター)

 お金もかかり、ひと握りのジュニアだけが勝ち上がっていく弱肉強食の世界だけに、ママたちのライバル争いも熾烈だという。連盟関係者が苦笑まじりでこう話す。

「まずママたちが躍起になるのが、毎日行う貸切リンクの確保です。5人ほどで割り勘にするのですが、必ず仲間はずれが生まれ、いつの間にかフェードアウトしていく親子がいますよ。子どもの実力だけでなく“ママの力”が問われるようですね」

 コーチの取り合いも、昔からの常。最近では、こんな順位づけがあるというから驚くばかりだ。

「娘の通う教室では、コーチのお弁当係がもっとも好かれているママの証。次がコーヒー係で、その次がお菓子の当番。当然、コーチへのプレゼント合戦が始まり、ブランド品だけでなく海外旅行までも……」(ある名古屋のリンクに子どもを通わせる母親)

 特に娘を通わせるママたちの戦いぶりは言葉を失う。

「女子のほうが、競技年齢が低いこともあってかドロドロしていますよ。ここ10年くらいでは、A選手のお母さんがダントツに強かった。元ヤンキーだけあって、“ボスママ”っていう風格でしたよ。新聞に掲載された娘の転倒写真が気に入らないといって連盟に乗り込み、担当部署の部長クラスを呼びつけた逸話が残るほどです。小林芳子強化部長が頭を痛めるのも仕方のない話です」(連盟関係者)