56年前、初の民間出身の皇太子妃となった美智子さま。これをきっかけに、雅子さま、紀子さまと民間出身の方たちが嫁がれ、厚いベールに包まれていた皇室も、親しみのある存在になりつつある。でも、やっぱり私たちの生活とは何か違うはず! 普段、何をしているの? 欲しいものは何でも買えるの?。皇族にまつわる疑問に、皇室ライターの金原好紀さんがお答え!
お金事情:ティアラって私物なの?
■税金を払うの?
天皇陛下と美智子さまは、地方税である都民税と区民税を納められている。御所や御用邸などは国有財産のため、両陛下が固定資産税を納めることはない。また生活費にあたる内廷費も課税されないため、所得税もない。ただし、預貯金は課税対象となり、株の売買で得た利益や配当金は確定申告されている。これらは内廷主管名義で納税されている。
■生活費はいくら?
天皇陛下と美智子さま、皇太子ご夫妻と愛子さまの5人の生活費にあたるものが内廷費で、平成27年度の予算は3億2400万円。秋篠宮ご一家の生活費は皇族費と呼ばれ、佳子さまが成人なさったあとは6710万円になる。内訳は左下表のとおり。これには、ご公務に必要な経費、皇居などの設備にかかる費用は含まれない。
秋篠宮家の皇族費(内訳:秋篠宮さま 3050万円、紀子さま 1525万円、眞子さま 915万円、佳子さま 915万円、悠仁さま 305万円=合計 6710万円)
■財産は?
前述した生活費である内廷費・皇族費が余れば、貯蓄や運用に回す場合もあるとか。だが、皇族の方たちが銀行や証券会社に行くことはない。貯金や株の購入は宮内庁の皇室経済主管が行う。理由は、現在の法律で、"すべての皇室財産は、国家に属する。すべての皇室費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない"とされているため。
戦後、皇室の財産はすべて国の所有に移され、そのうち一部のお住まいなどが皇室財産となっている。佳子さまが20歳を迎えたとき、身につけられたティアラも国有財産。国が佳子さまにお貸しした形になる。