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 今年7月、ユネスコの世界遺産委員会にて正式に登録が決まった「明治日本の産業革命遺産」。これにより日本の世界遺産登録数は19(文化遺産15、自然遺産4)になったが、富士山、富岡製糸場と“立て続け感”を覚える人も。

「世界遺産ブームとでも形容したくなります。どの自治体も血眼になって世界遺産になりそうなものを探している。なんか違う気が……」(40代・女性)

「原爆ドームや京都の文化財などと一緒に扱っていいのかな? しかも今回は各地に散らばっていてよくわからない! よくわからないものが世界遺産になるってどうなの? それとも私が勉強不足なだけ?」(20代・女性)

「もともと足を運びたくなる要素があるから人気を集め、もっと多くの人に発信したいから地域で盛り上がる。その先に世界的な展開があったはず。昨今の世界遺産は流れが真逆ですよ!」(50代・男性)

 「違和感を覚える」という声も圧倒的に多い。こんな意見も。

「他国の世界遺産にはもっと意味不明なものもある。『ベルリンのモダニズム集合住宅群』なんてただのマンションにしか見えない。これなら同潤会アパートも世界遺産になるのでは? ユネスコなんてモンドセレクションみたいなもの。まじめに考えないほうがいいですよ(笑い)」(30代・男性)

「世界遺産って増えるだけで減らないですよね? 例えば、観光化が進みすぎて(保存)状態が悪化したら、世界遺産から除外されるとか“本物感”をもっと演出するルールがあってもいいと思うんですけどね」(40代・女性)

「私は鎌倉に住んでいるのですが、鎌倉を世界遺産にしようという運動に対して地元住民の多くが反対しています。ただでさえ人が多くて渋滞がひどいのに、これ以上住みづらくさせる施策を打って町をどうするつもりなのか? 落選してホッとしましたよ」(60代・男性)

 地元の人が反対しているという事実は衝撃的。

「一躍、有名になってその場所を訪れたところで審美眼は磨かれない。有名無名かかわらず、大切なのは文化や背景を知ろうとする自分の気持ちですよ。私は『日本のホテル・旅館100選』に選ばれているという理由から宿は選びません。もっと大切なものを見定めて訪問するようにしています」(60代・女性)

 有名無実化しないためにも、世界遺産の“その後”にもきちんと目を向けないといけないかもしれない。