ホストになって約2年。日本最大級のホストクラブグループに所属し、年間2億円の売り上げを誇るという人気ホストの天使ニアさん。ジェンダーレスの時代を象徴するかのような“王子様”は、いったいどんな存在なのか。直撃しました!
女性ホストは「各店舗に1人はいるんじゃないかな」
“男装の麗人”と聞いて、あなたは誰を思い浮かべるだろうか。
現在放送中の連続テレビ小説『虎に翼』(NHK)に登場する女性、山田よね(土居志央梨)は、悲しい過去を背負い、男装で生きることを決意。その凛とした佇まいで好評を博している。
そして、日本屈指のホストクラブ激戦区・歌舞伎町には世にも珍しい“女性ホスト”が、超人気男性ホストに勝るとも劣らない活躍を見せているという─。
「仕事の内容は、男性ホストと同じ。女性のホストが珍しいのは確かですが、僕だけではありません。僕のように公表しているプレーヤーが少ないだけで、各店舗に1人はいるんじゃないかな」
そう話すのは、歌舞伎町ホストクラブ「Blue Rose」で代表を務める女性ホスト、天使ニアさんだ。
「僕はもともと服の好みが男の子っぽかったり、声も低めだったりして、男性に間違われることもよくありました。なおかつ僕は、恋愛対象も女性なので、接客も普段自分が女の子に接するときと同じで、違和感がないんです。好きなタイプは、キレイさと可愛さを兼ね備えた人。品のある女性が好きです」
彼女の性自認は女性のため“正真正銘の女の子”だが、店に訪れる“姫”たちを王子様としてエスコートしている。そんな彼女を慕う姫たちには、共通点があるという。
「お客さんの年齢層は20〜25歳の女性が中心で、特にジャニーズや乃木坂46など男女問わずアイドルのファンが多いんです。お客さんたちは“推しメンの握手会感覚”で僕に会いに来てくれているみたいですね(笑)」
なかには宝塚ファンの姫もいるそう。たしかに、ニアさんがメンズスーツを着こなす姿はまさに、令和の男装の麗人。そのビジュアルに心をわしづかみにされる姫が、続出しているのだ。
「僕も女性なので、お客さんの表情を見れば、何を考えているのか、どんなことを言ってほしいのかは、だいたいわかります。むしろ、男の子のスタッフが何を考えているのかがよくわからないんです。ある男性スタッフが接客している席にヘルプでついたときも、女の子がすごくつまらなそうにしてるのに、ずっと自分の興味のある話ばかり続けていて『どういうつもりで仕事をしてるのかな?』と、混乱しました(笑)」