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 今年4月、神奈川県警は横浜市立中学の元校長・高島雄平被告(65)を児童買春・ポルノ禁止法違反(所持・製造)容疑で逮捕した。

「ええ、本人もご家族もいらっしゃいますよ。引っ越しはされていません。でも、さんざんマスコミで騒がれたので、ほとんど外に出ない。出かけるときは車なので顔を合わせたことは1度もありません」(近所の主婦)

 フィリピンで25年以上にわたって、のべ1万2600人以上の少女らを買春。1988年に教員として在外教育施設派遣試験に合格したのをきっかけに、相手は13~70歳まで手当たり次第だった。買春価格が安かったという。

「タガログ語や英語で話すと気分が高揚して大胆になれた」などと話している。

 市内の自宅からは約410冊以上のアルバムに整理した性行為写真など約14万7600枚が押収され、“絶倫校長”と呼ばれるようになった。

 繰り返し報道された顔は全国区。妻子がおり、逃亡する恐れはまずない。証拠隠滅できないほどの証拠もある。そんな理由から拘束を解かれたのだろう。

 在宅起訴された高島被告に裁判に臨む心境を聞くため、横浜地裁の初公判を翌日に控えた12月16日、自宅を訪ねた。高級外車でちょうど帰宅した本人に話を聞くことができた。

 短くそろえた白髪頭に黒いキャップをかぶり、黄緑色のトレーナーの上に紺色のジャケット姿。小太りだった体形は大幅にサイズダウンし、やつれた表情が印象的だ。取材を申し込むと、まずは穏やかな口調で拒否。

「いや、すべて弁護士の先生に任せておりますので、そちらとお話ししてください」  車庫から玄関への階段を上がりかけたところで踵を返した。

「これをお持ちください」と弁護士の名刺を差し出した。

 裁判では罪を認めるのか。そう尋ねると、こう回答。

「はい。もうだいぶ、長い期間がたっていますし……。なるべく、この1回の裁判で終わりにしたいんです。あとは、弁護士の先生に聞いてください」

 弁護士によると、「本人は十分に反省している。情状酌量の方向に持っていきたい。具体的にどんな反省かは法廷で言いますから」とのことだった。

 初公判は傍聴席約30席に対し、6倍近い人数が並んだ。高島被告は白いYシャツに濃紺のネクタイを締め、黒いスーツ姿で法廷に現れた。起訴内容を全面的に認め、こう述べた。

「甘い認識だった。行った場所、食べたものなど何でも写真に記録する癖があって、撮影は自分の思い出のためでした」

 しかし、ハメ撮りは「思い出」などというきれいなものではない。検察側は「フィリピンと日本の経済格差に着目し、性的欲求を満たす身勝手さには再犯の恐れがある」と指摘し、懲役2年を求刑した。

 弁護側は、写真を売買するつもりはなく、個人で楽しむ目的だったとして執行猶予付き判決を求め、即日結審した。

 教育者の信頼を失墜させた責任は大きい。横浜市教育委員会に対し、被告が得た3000万円の退職金を返還させるよう求める動きが出ている。

「今年度中にも本人に請求する予定です。要求をのまない場合は、裁判に訴えるなどのしかるべき方法をとるつもりです」(横浜市教育委員会)

 高島被告は事件後、妻に叱られ、家族と会話をしなくなり、自宅に引きこもっていると法廷で打ち明けた。眠れなくなって、飲めない酒を飲むようになったという。その姿も思い出として記録するのか。判決は25日に言い渡される。