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 先日、最終回を迎えたTBSドラマ『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』。中谷美紀演じる主人公が奮闘する姿が話題を呼んだ。今や「結婚したい!」という思いに、年齢もタイミングも婚歴も関係ない時代。ここ数年で増えている、シニア婚活パーティーに潜入した。

 某月某日、都内繁華街の40~50代向けお見合いパーティーに参加してみた。どんな人が来ているのか、いい人が見つかるか、ドキドキである。

 参加費用は女性1500円、男性は6000円。おしゃれな吹き抜けビルのワンフロアが会場だ。窓際に沿ってイスが並べられている。受付で番号札とプロフィールカードをもらい、すぐにカードに名前や職業、自身の性格、趣味・特技、好きなタイプ、デートで行きたい場所などを記入するように言われた。

 周りを見渡すと花柄ファッションの女性が数名。最終的に女性が9人、男性は6人。女性の間に男性が座るようイスがセッティングされている。

 司会兼世話人のもと、開会の挨拶から自己紹介タイムへ。女性は動かず、自分の右側に来た男性と話をするシステム。プロフィールを交換し、男性には収入欄があるのを発見した。

 最初の男性は毎週のようにパーティーに参加しているという。6000円で月4回来たら、けっこうな代金だ。「カモみたいなもんですよね」と自嘲的に言う男性。中肉中背、ごく普通の会社員で、結婚歴のない50歳。カードの家族欄を見ると、両親と弟、妹と同居。家族仲がいいようで、家族の話をしまくり時間切れ。

「プロフィール欄にもっといろいろ書いたほうが会話が弾むと思いますよ」

 ベテランの彼にそう諭されて、趣味の欄に“落語”“歌舞伎”“カラオケ”、好きな映画に“日活ロマンポルノ”と書き込んでみる。

 次に隣に移動してきた男性は、年収1000万円以上の会社役員、バツイチ。プロフィールカードを渡すなり、やたらメモを取り始める。しばらくしてやっと

「落語が好きなんですか」

 と趣味欄に食いついてくれたのだが、

「僕は落語なんて知らないけど」

 とひと言。子どもじゃないんだからそういう言い方はどうかねと内心、ブーイング。

 移動する彼の後ろ姿を見たら、スーツのズボンの裾がすり切れて糸が垂れている。気づかずにはいているのか、それを何とかしてあげたいと思う女を待っているという高等テクニックか。まさかね。