参院選が終わり、首都東京の顔を選ぶ都知事選が注目される。もう、ハズレを引かないためにも、資質を見抜くにはどうしたらいいのだろうか。
「次の都知事にまず求められるのは、お金に対する正常な倫理観です。特に政治資金を使える立場にあった候補者は、有権者都民に疑念を持たれないよう、丁寧に説明する必要があるでしょう」(政治評論家・浅川博忠氏)
14日告示、31日投開票の東京都知事選が始まる。参院選の最中から出馬報道が過熱し、注目度は増している。
2013年12月に辞職した猪瀬直樹元知事(69)と、この6月に辞職した舛添要一前知事(67)は金銭問題で追い詰められた。いずれも選挙戦で自民・公明が支援する本命候補だったにもかかわらず、見事に期待を裏切った。そのたびに約50億円ともいわれる選挙費用を負担させられてはたまらない。無駄な金を使わせない人物は誰か。以下、それぞれ候補者の顔ぶれをご確認いただきたい。
■小池百合子氏――小泉元首相の子分らしいやり方
まずは、“先出しジャンケン”で正式に出馬表明した元防衛相の小池百合子氏(63)。参院選中、出馬に意欲を見せても、所属する自民党都連に推薦を依頼しても、認められなかった。国会内で6日に開いた記者会見では「いきなりですが、都議会を冒頭解散したい」とぶち上げた。
「分裂選挙といわれるが、分裂しているのは都議会自民党と都民のあいだではないか。民心が離れては、都民に寄り添った政策は遂行されません。都民の声を聞いてみましょう」(小池氏)
そんなことをしたら都議選にまた金がかかる。しかし、実際には議会が不信任案を可決しない限り、知事側に議会解散の権限はない。小池氏はそれを十分踏まえたうえで、あえて言及した。
「つまり、都議会自民党にケンカを売ったということ。小池氏は党都連副会長なのにソデにされ、都議の重鎮が幅をきかせているのが気にくわない。抵抗勢力を仕立てて郵政民営化を達成した小泉元首相の子分らしいやり方といえる」(全国紙社会部記者)
小池氏はそうやって都議らにプレッシャーをかけつつ、「地方議会の海外視察などのチェックは甘いのでは」「五輪絡みだけでなく利権追及チームをつくる」などと責め立てた。本当に実行されれば、税金の無駄遣いを減らすことができるかもしれない。
6日の会見ではほかに、『週刊文春』が報じた政治資金パーティーの収支報告書記載漏れの質問が飛んだ。小池氏は「すでに収支報告を修正させていただいた」と短く答えただけ。街頭演説では、ミスが起こった理由を含めて丁寧な説明が求められる。