行動観察テスト
体操の次に待ち受けるのは、行動観察テストだ。かつて実際に行われた集団ゲームでは「ボール送りゲーム」と「自由遊び」があったようだ。
前者のゲームでは、約7人グループを3つ作る。皆で手をつないで輪を作り、さまざまな種類のボール(ドッジボール・スポンジボール・テニスボールなど)を回していく。先生の合図で内側外側、時計回り、反対回り、ボールの数や種類が増えていくという。
後者は、10~15種類のおもちゃが置いてあるスペースで、自由に遊ぶように指示を受けるものだ。おもちゃには『黒ひげ危機一発』などがある。
これらの行動観察では「素」の姿が見られているという。保護者や受験塾などからの訓練で刷り込まれた姿よりも、心から参加できているかなどの子どもらしさが問われる。
そのほか、お友だちと譲り合いができるかなど、協調性・傾聴力も同時に見られていると考えられる。
絵画・製作テスト
そして最後は絵画・製作テストだ。
まずはマットに並んで、先生のお話を聞く。たとえばこんな感じだ。
妖精さんがしばらく歩いていくと、普段は見ることができないポストやブランコを発見しました。途中で通りかかった公園で、お弁当を食べている子を見つけて、妖精さんも“お弁当を持ってくればよかったな”と思いました」
というエピソードを聞いたあとに、こういった指示を受けるという。
「妖精の女の子にあなたの好きなお弁当を持っていくとしたら、どんなお弁当を作りますか? それを作ってください」
試験会場の真ん中に8色の色画用紙が置いてあり、それを使ってお弁当を作らせるのだ。そして、先生からは1回しか取りに行ってはいけないと指示がある。紙を用意すると、先生がお手本を見せる。紙をくしゃくしゃにして丸めたり、筒を作ったりするようだ。そして子どもたちは、個人机に移動をし、机の上に置いてある用具を使って「お弁当」をつくるのだ。
そして、その後は絵画のテストだ。白画用紙を渡された子どもたちは
「妖精さんがお弁当を食べた後、どのようにあなたと妖精さんは過ごしますか? その絵を描いてください」
という課題をもとに絵を描き始める。この間に机に回って来た先生からはさまざまな質問をされるという。
ここでは、製作物をつくる際に材料を「無駄にしない」「奪い合わない」などの使い方が見られいるという。さらに、先生からのお伺いによるコミュニケーション能力も見られる。そして、製作物自体の出来不出来よりも、表現しようとしている内容にユーモアや発想力があれば評価はされるようだ。