目の健康、合ってる?間違ってる?~老眼・健康編
■老眼は40代からなるものだ
【No】若くても老眼になる
「老眼は目の調節力が落ちてくること。40代以降に起きると思われがちですが、実は20歳過ぎから、目の調節力は落ちてきているのです」
遠くを見てから次に近くを見たとき、見えづらく不自由に感じれば、それが老眼の始まり。
「人間の目は、カメラでいうとレンズの役割をしている水晶体を使い、その厚みやカーブを変えることでピント調節をしています。この能力は20歳ぐらいをピークに衰えていきます。そういう意味では、20歳を過ぎたら老眼が始まりつつあるといえます」
■老眼が自然に治ることはない
【Yes】治ったように感じたら核白内障
「年を重ねたら老眼が自然に治ったという人がいますが、核白内障という水晶体の核が濁る病気が隠れていることが多い。中央の核の屈折率が強くなり近視化が起き、近くが見えやすい状態になるのです。この現象と同じ理論を応用したのが、白内障手術の多焦点レンズ移植です」
多焦点レンズは遠くも近くも裸眼で見えるように深作先生らが海外で開発した技術。現在ではスタンダードになっているが、手術を行う腕が確かでないと視力が出ないことも多い。
■ブルーベリーは目の健康にいい
【No】確かなエビデンスがない
「ブルーベリーは目にいい食べ物として知られていますが、実は確かな科学的根拠がありません。ビルベリー(ヨーロッパのブルーベリー)に含まれるアントシアニンの成分がいいともいわれていますが、抗酸化作用があるので目の健康にいいかもしれない、という程度です」
そもそも、夜間も有視界飛行であった第二次世界大戦当時、空軍パイロットたちが“夜もよく見えるように”とビルベリーのジャムを食べていたエピソードが広まったものだという。これを“目の栄養”として効果を期待するには、大いに疑問が残る。
■目が疲れたらマッサージ
【No】網膜剥離や白内障の原因に
「むき出しの臓器である目やその周りをマッサージしたり、叩いたり、こすったり、温めたりする方法を紹介する本がありますが、私にとってはとても信じられない内容です。これが毒にも薬にもならないものだったら無視しますが、このような刺激はおおいに毒になるのです」
目に外から力を加えると、網膜剥離や白内障の原因になるという。目が疲れたときに、ついついやってしまいがちなマッサージだが、実は目にとって危険な行為ということを忘れずにいよう。