竹内涼真が屈折した青年を好演
「カホコ勝負の作品になるので、主人公を演じきれる女優さんがいないと成立しません。そして、思い浮かべたのが、高畑さんでした。芝居がうまいだけでも、可愛いだけでもない。次の行動が予測不能というか、無限の力を感じたんです。高畑さんには、カホコの中に眠っている力を爆発させるような演技をしてもらっています」(大平P、以下同)
母親役の黒木瞳は、早い段階から考えていたそう。父親役は、日テレのドラマは30年ぶりという時任三郎をキャスティング。
「最近は、カッコいい上官のような役が多かった時任さんが、情けない親父を演じてくれたらギャップが面白いと思って、ダメもとでお願いしたら、快諾してくださった。楽しんで演じてくださっています。
ギャップという意味では、カホコに大きな影響を与える麦野初(はじめ)役の竹内涼真君もそうです。優等生の役が多い竹内君が、屈折した青年を好演しています」
初は、カホコとは正反対、恵まれない環境で育ち、優しさをストレートに出せずに厳しい言葉を口にする。初のキャラクターには、遊川が投影されているそう。
13階までの階段激走“眠れる力”を発揮
キャッチコピーの“史上最強の箱入り娘”には、今作の意味が込められていた。
「“最強”と“箱入り娘”は本来、相いれない言葉です。
カホコは、自分でも気づいていないし、両親も守ってあげないと何もできない子だと思い込んでいる。でも、彼女の中には、すごい力があるんです。その眠れる力を、初によって開花させ、家族や親戚の間で起こる問題を解決していきます」
高畑は一生懸命、頑張っているカホコの姿を見せたいという思いから、劇中に登場する13階までの階段を上るシーンを実際に上っているという。
「カホコという主人公のドキュメンタリーです(笑)。(高畑は)“若いから大丈夫です”と言いながらも、ヘトヘトになっていますね。撮影では、祖父母役の三田佳子さんや平泉成さんら大ベテランがそろい、濃い出演者の中でプレッシャーもあるでしょうが、頑張っています」
カホコはおたまじゃくしのシッポのついたカエル、初はオオカミなど、登場人物のキャラクターを表現した動物が、たびたび登場するのは、かわいい見どころなので、全員分をチェックしてみて!