出版イベントで聞かれたこと
ある大きな出来事が起こるまで、舞台中心の生活が続いた。一転したのは、東日本大震災。福島出身の梅沢にとって、生まれ育った故郷が大きな災害に見舞われた。舞台を自粛し、非力さを感じたというボランティア活動を続ける中、ふたたびテレビへ出演するようになった。テンポのいい語り口、多くの人が避ける本音をズバリ言う。その痛快さが、現在の“梅沢ブレイク”につながっている。
先日の出版イベントには、『夢芝居』を知らないであろう若い男女の姿も見受けられた。その会場で、レポーターたちにマイクを向けられ、質問されたのは巷をにぎわせている“松居一代”のこと。
「思いましたよ、俺の本のことは、どうなっているの? って。でも、それで、いいんです。松居さんのことを言うと言わないのとじゃ、新聞やワイドショーの扱いが違うから。これが、“人には、守るべき真っ当なルールがあるんです”って、本のことばかり語っていたら、誰も紹介してくれませんから。
マスコミっていうのが、毒にもなれば薬にもなるってことがわかっている。だから、上手に付き合っていくためには、話しますよ。でも、松居さんのことは、まったく自分と関係がないということじゃない。これまでに、自分で得た経験がありますから。
だから“いい年して、やったの、やってないのは、もういいじゃない”って言ったのは、決して船越さんの悪口でも、なんでもないんです。だって、なにかがあったから、夫婦がモメているんじゃないですか。夫婦生活を30年続けていますけど、一方的にどちらかに非があるなんて話は、100%、いや500%ないですよ」
これまでバラエティー番組などで妻に“遊び”がバレたことがあると、語ってきた梅沢の、重みのある正論。
女の人は上手に扱いなさい
「松居さんのこともよく知っているんです。偉い子なのよ。旦那さんのために一生懸命なの。だから、そういう女っていうのは、炎上したら怖いんですよ。古い話ですけど、『八百屋お七』とか。あれ、みんな熱い女なんです。こうなったら、とどめを刺すまで頑張るんじゃないですか。
芝居のセリフにあるんですが、“女っていうのは、ほめりゃ、つけあがる。殴りゃ、泣くし、殺しゃ、ついでに化けて出る”って。お岩さんの話ですよ。だからね、女の人は上手に扱いなさいよ、っていうのが、世の教えですよね。これ、先輩方の正論です」
まさに、この正論を実践しているからか、これまで交際してきた女性とこじれた経験がないと語る。
「調べてください。ないから。週刊女性にも、ずいぶん前から出ています。いまはなくなっちゃった写真週刊誌なんて常連でしたもん。それに、うちは女房から“別れてやる!”なんて言われたことは1度もない。僕が家族を大事にする部分がたくさんあるからじゃないかな。だから、“まぁ、いいんじゃない。男だから、ちょっと遊んでくれば”ってなるんだと思います。
週刊新潮が僕のことを10日間張ったらしいんです。人のこと平気でいろいろと言うじゃない。だから、“梅沢が不倫していたら面白いネタになる”って張ったらしい。結局は、女のいるところにしか飲みに行かない。店に入るところを捕まえて“何しに来たんですか?”って直撃したら、怒られそうだからやめましたって、記者さんが(笑)。
だって、遊ぶところに行ってるんだから。ビール1杯3000円っていう店でお金払って飲んで、なにが悪いんですか。なんで女性がいるところか? って、女がいなきゃ、そんなところに行かねーよ!」
そうは言っても、奥さんから“いい加減にしたら”とたしなめられることはあるそう。それでも、夫婦円満なのは、お互いを尊敬しているから。
「女房はぜったいに子どもの前で僕の悪口は言いません。もちろん、僕も。だから、子どもたちが父親を嫌がる時期がなかった。僕、1回、離婚を経験していますからね。やっぱり夫婦がお互いに尊敬しあえなくなったら、ダメだと思う」
最後に、著書を通して伝えたいことを聞いてみると、
「これは、口ぐせでもあるんだけど、とにかく、ダメなものは、ダメなのよ。ルールは守らないといけない。自分は、関係ないと思ったら、それでいいよ。ただ、“正論”を守ってきたことで、いまの俺があると思っている。決して、ウソは書いてないです。浮気していて、よく人のことを言うと思う方もいるかもしれない、でも、僕のは浮気じゃない、遊びだから!」
遊び心を忘れない梅沢の“正論=生きていくうえで大切にすべきこと”だから、多くの人から愛されるのだ。