野際さんとの思い出、元妻&元恋人との共演
昨年10月から始まった収録を振り返って、印象的だったことに、野際さんとの共演をあげた。
「共演経験のある役者さんと1対1で、芝居をするのは、すごく楽しいんです。
野際さんとは、一緒のシーンが多くて、しかも長いシーンもあって印象に残っています。野際さんの(セリフの)間の取り方や言い回しを見ていると、芝居をしていても半分、観客のような気分になっていました。
芝居のキャッチボールというより、芝居をしている姿を生で見られることがうれしく、贅沢(ぜいたく)な気分でした」
野際をはじめ、往年の名女優たちと共演し、私生活で元妻の浅丘、元恋人の加賀に挟まれ、ドラマとはいえ右往左往するシーンもあり、僭越(せんえつ)ながら、やりにくさはなかったのだろうか?
「まったくない。すごく楽しいですよ。非常に懐かしいというか、仲間うちといいますか……。向こう(2人)は、私のことが扱いやすいようで、遠慮がないみたいです。僕は、遠慮していますけどね(笑)」
折り返しに入った『やすらぎの郷』は、新たな登場人物によって、大きく話の転換点を迎える。クライマックスに向けて、そのヒントは主題歌『慕情』に、集約されているという。
「マラソンでいえば、もうひと山、控えています」
クランクアップし、ひと足早くゴールした石坂からのメッセージ。山越えの先にある風景、見るしかなさそう。
■“こもれびの郷”?
何かと話題になり、反響も多い『やすらぎの郷』。石坂自身に届いた声には、笑える勘違いも。
「僕は、SNSとかまったくやらないのですが、男子中学・高校の同級生が、“武藤(石坂の本名)が、(主役を)こんなにちゃんとやれるのは、人生で最後だろう”と、ブログで宣伝してやると。でも、別の同級生から“あいつ、『こもれびの郷』って、違う題名をすすめているぞ”って。娘や孫が見ているという話も聞かされて、“見たことのない女優さんだけど、魅力的”と、言っているのを聞いて、うれしかったですね」