もう1つ、僕が『DX』に出演する勝俣さんを見ていつもスゴいと感じるのは、エピソードの豊富さだ。芸能人は一般の人より珍しい経験をする機会は多いが、それでもあれだけ頻繁に出演しながら、毎回、ハイレベルのエピソードを披露するのは至難の技。座付きの作家がネタを作っているんじゃないかと疑ったこともあるが、もちろんそんなことはなかった。

「これを言うと勝俣さんが嫌がるかもしれませんが」

 思わせぶりな前置きをして、あるスタッフが教えてくれた。

「勝俣さんって、地方にロケに行ったとき、その前後にスケジュールの余裕を作っておいて、あたりをブラブラして、変わったことはないか、変わった人はいないか探すんですよ」

 え、わざわざ時間を割いてネタ探しをしている!?

 確かに勝俣さんのエピソードは、地方に行ったときの話が多い。たまたまそういうめぐり合わせ運が強い人かと思っていたが、自ら探しに行っていたとは。あのエピソードの数々は密かな努力の賜物(たまもの)だったのだ。

 そんな勝俣さんは、常々自分のことをこう語っているという。

「他のゲストはメイン料理、自分は味噌汁」

 そこで今回、勝俣州和さんには「最優秀バイプレイヤー賞(バラエティー部門)」を勝手に差し上げ、勝手に表彰します。

 これからもバラエティー番組という定食で、味が濃すぎるときは口直しの、おかずがさびしいときは具だくさんの、そんな味噌汁になって下さい。

<プロフィール>
山名宏和(やまな・ひろかず)
古舘プロジェクト所属。『行列のできる法律相談所』『ダウンタウンDX』『世界何だコレ!?ミステリー』といったバラエティー番組から、『ガイアの夜明け』『未来世紀ジパング』といった経済番組まで、よく言えば幅広く、よく言わなければ節操なく、放送作家として活動中。