周辺では夜間、母娘に注意した住民宅への投てき事案など(“嫌がらせ事件”マップ参照)が連続発生。大家さん宅や、近隣住民と立ち話しただけの家も狙われた。

「自宅敷地内にペットボトルを投げ込まれました。最初は1個、次々と増えて最高4個まで。商品名のフィルムをはがし、きれいに洗ってあったので通行人のポイ捨てではない」と近所の女性は話す。

※本誌調べ。近隣住民の証言などに基づき作成(作図/スヤマミヅホ)
※本誌調べ。近隣住民の証言などに基づき作成(作図/スヤマミヅホ)
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 被害男性Bさん(40)は次のように証言する。

「うちは7月20日ごろ、玄関にサバのみそ煮が投げつけられていました。ドアに煮汁がつき、しばらく生臭さが消えませんでした。すぐに防犯カメラを設置すると、7月23日未明、小松家の娘がうちに近づく映像が撮れていたんです」(Bさん)

 映像を確認すると、深夜2時すぎ、小松家からジャージー姿の女性が周囲をうかがいながらペットボトルのようなものを持ってBさん宅にゆっくり近づき、カメラの死角に消えた後、足早に自宅に戻る姿が映っていた。わずか1分弱。躊躇のない動きだった。

Bさん宅に投げられたサバの味噌味
Bさん宅に投げられたサバの味噌味

「油がまかれていました。しかし犯行の瞬間は映っていないんです。警察に相談したら“証拠がない。現行犯じゃないと捕まえられない”と言われました」とBさんは話す。

 別の映像では、向かいの家に何かを投げる小松容疑者の娘らしき女性が映っていた。しかし、サバみそや生卵など洗い流せるたぐいは被害届の提出を拒まれたという。

「向こうは母娘とも無職で時間がある。こっちは仕事もあるし、母娘の動向を完全監視はできない」(別の住民)

 母娘は強気だった。夜間に不審な動きを住民に見とがめられても娘は「ただ歩いているだけ。何が悪いんですか」と開き直った。年配の女性は小松宅近くの路上で「目障りだから、そんなところに立ってないで!」と怒られた。ピザ配達の男性は友人と会話中に小石を投げつけられた。

 そして小松容疑者の娘は11日、近隣宅に生卵を投げつける現場を通りがかった女性住民に目撃され、羽交い締めにされた。娘は「離して! 関係ないでしょ!」と女性の腕をひっかき、小松容疑者は金色のガラケーでその様子を撮影していたという。住民らは警察に通報したが、生卵は洗い流せるためか事件化できなかった。