車が水没したらどう対処すべき?
豪雨で道路が冠水して川のようになり、自動車がプカプカ浮く衝撃映像をテレビで目の当たりにする昨今。そんな雨に見舞われたとき、ドライバーはどう行動するべきなのか。
モータージャーナリストの丸山誠さんによると、
「ワイパーでも視界の確保が追いつかない場合は、むやみに運転せず、安全なところに停車させます。ゲリラ豪雨は1時間~2時間も続かないので、雨がやむのを待つのが得策です」
注意すべきは、立体交差で地下を通る“アンダーパス”構造になっている道路。
「どのくらいの雨がたまっているかは、目で見てもわかりません。来た道をバックしましょう。イチかバチかで突っ込んで、水没してしまうケースは多いです」(丸山さん、以下同)
そもそも、車はどのくらいの水深まで通常走行が可能なのか?
「下の写真は水深30センチです。水しぶきはかなり上がりますが、ちゃんと走ります。ひとつの目安はタイヤの真ん中と言われています。それ以上だと浮力がついてしまうので、たとえエンジンがかかっていても、タイヤが路面に接していないので、浮いて流れてしまう可能性があります」
車内に閉じ込められ、水が入ってきたり、水没したりするのも心配……。
「まずは冷静になること。ひざ下くらいの水深ならば、ドアは開けられます。ダメだった場合は、窓から脱出します。基本的に、最近の車は水没してもパワーウインドーは動くよう設計されていますが、ダメだったときには窓を割ります」
ほとんどの車のサイドウインドーは強化ガラス。割るには、ちょっとした道具とコツが必要だという。
「車用の緊急脱出ハンマーで、サイドウインドーの“隅”を軽くたたくだけ。女性でも簡単に割ることができます。緊急脱出ハンマーはホームセンターのカー用品売り場には必ずあり、1000円前後。いつなんどきも、ドライバーの手が届く場所に常備しておくのがオススメです」
<解説してくれた人>
◎国崎信江さん
危機管理教育研究所代表、危機管理アドバイザー。女性&生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱。国や自治体の防災関連の委員を多数務める
◎大木裕子さん
地球科学コミュニケータ。地震や地盤災害などに精通。著書に『住んでいい町、ダメな町 自然災害大国・日本で暮らす』(双葉社)
◎丸山誠さん
モータージャーナリスト。試乗インプレッションや新車解説など、幅広く取材・執筆。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員