発声トレ

 嚥下と発声はほぼ同じ筋肉を使っています。しっかり声を出すことは飲み込み力の向上につながります。

■ハイトーンボイス・カラオケ

 カラオケでしっかりと声を出して歌うと、嚥下機能のカギを握っているのど仏周辺の筋肉を効率よく鍛えることができます。さらに効果を引き出すためには、高い声を出して歌うのがコツ。のど仏は高い声を出すと上がり、低い声を出すと下がり、この上下運動を行うことでのど仏周辺の筋肉が鍛えられるのです。できるだけ高い声で歌う“ハイトーンボイス・カラオケ”で、楽しみながらのどの健康をアップさせましょう。

■のど仏スクワット

 高い声と低い声を交互に繰り返して出し続けていれば、のど仏はそのたびに上がったり下がったりを繰り返し、結果的にのどの筋肉が鍛えられます。のど仏スクワットは、「ア・エ・イ・ウ・エ・オ・ア・オ」「カ・ケ・キ・ク・ケ・コ・カ・コ」という一般的な発声練習をアレンジしたもの。「ア」「イ」「エ」のときには思い切り高い声を、「ウ」「オ」は思い切り低い声を出し、高低をつけて発声します。できるだけ大きな声ではっきりと、高低差をつけて発声するのがコツです。

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 最後に、ムセたとき・食べ物をのどに詰まらせたときの応急処置について。

 上体を起こしたまま水を飲ませたり、背中をトントンと叩くのは間違いです。水を飲ませるとその水を誤嚥する可能性があり、上体を垂直にした状態で背中を叩くと、内容物が肺方向へ入ってしまうのです。

 自発呼吸がある場合は、咳をさせることが大切。上半身を倒したり横向きに寝かせて背中を叩き、咳をさせましょう。また、口の中をのぞいて詰まったものが見える場合は、ゴム手袋などを装着して指でかき出します。

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<教えてくれた人>
西山耕一郎先生
医療法人西山耳鼻咽喉科医院理事長。東海大学客員教授、藤田保健衛生大学客員教授。北里大学医学部卒業後、北里大学病院などに勤務し、’04年に現在の医院を開業。