日本のドラマや映画を見ていても、たくさんのお酒を飲むシーンが登場します。お酒のシーンから、日本人のちょっと不思議な国民性が見えてきます。外国人から見ると驚きの特徴を3つに分けて私なりに紹介してみたいと思います。

 まず、特徴その1は、何に対しても一所懸命すぎることです。日本人は、働くのも、食べるのも、スポーツをするのも一所懸命、そしてお酒を飲むのも一所懸命。ギリシャ人の私からすると遊んでいるときでさえ一所懸命に映ります。でも、外国人から見ると、一所懸命何かに懸けている分、ストレスも大きいのではないかと思ってしまいます。だからお酒もたくさん飲むのかもしれませんね。

当記事は「東洋経済オンライン」(運営:東洋経済新報社)の提供記事です
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仕事のために酔っ払うなんて!

 一所懸命に飲むといえば、フジテレビの「HOPE~期待ゼロの新入社員」というドラマを思い出します(原作は韓国のドラマですが)。このドラマで衝撃的だったのは、遠藤憲一氏扮する織田課長が自分の企画をほかの部署に横取りされて、やけ酒で泥酔するシーンです。酔いつぶれた課長を見た部下の安芸さん(山内圭哉)は、カバンをなくさないように課長のベルトにくくり付けます。

 フラフラになりながら家に着いた課長ですが、深夜だったため奥さんにも怒られてしまいます。そして悔しさをぐっとこらえる。なんとも日本人らしいシーンですよね。気持ちは理解できなくもないですが、ここまで仕事のために酔っ払うのは、なかなかギリシャで見ることはできません。

 これがもしギリシャのドラマだったら、何か楽しいことをして忘れるというのが定番かもしれません。たとえば、クラブに行ってとにかく踊りまくるとか。もしくは、誰もいないところに行って泣くこともけっこう一般的かもしれません。

 ギリシャ人は他人に弱みを見せることを嫌うので、「人気(ひとけ)のないところ」というのがミソです。あとはちょっとコメディチックな番組であれば、教会に行って祈るというパターンもありうるかもしれません。

 2つ目の特徴は、「差しつ差されつ」という不思議な文化です。これは、日本人と飲んでいて学んだ言葉でもあります。

 ギリシャでは、日本でいう「手酌」のように、自分の注文した分だけ飲むのが一般的なので、互いにお酌し合うようなことはありません。とても面白い習慣だとは思いますが、自分のペースで飲むことができないので、ちょっと大変ですね。

 特に年上の方と飲むときは、「差しつ差されつ」のお祭りみたいです。お酒を勧められればもちろん断ることはできないですし、またグラスに残っているものも飲み干さなければなりません。