「やっぱり冷たいのがダメ」
同じ業者での異物の混入は相模原市内の中学校でも発見された。'16年度には28件、今年度に入って9件の異物混入が報告されている。同市教育委員会は、
「'16年度に生徒に提供した給食数は26万3千食です。そのうち異物が混入していたのが、28件。これが多いか少ないかという議論は難しい」
これに対し工場の責任者は、
「誠に申し訳ないという気持ちです。しかし異物混入に関しては、他社さんもゼロではないはず。永遠の課題といったところですね。容器も教育委員会が用意したものですので、臭いと言われても……」
と、どこか他人事というか対岸の火事というか。
食品加工工場などの衛生管理のコンサルタントを行うジャパン・フードセイフティードクター株式会社の池亀公和代表取締役は、
「混入の件数も間違いなく多い。ちょっと考えられない。大手スーパーなどでは、異物などが入っている不良率は、100万食作って3個というぐらい厳しいんですよ。よほど管理がずさんなのではないでしょうか」
とバッサリ切り捨てる。
味のまずさと異物混入を受け、当該中学校では9月20日から弁当の持参を認めた。6割近い生徒が、弁当を持参したという。同日には学校で、温かい豚汁が提供された。
「豚汁はみんなおいしいって言ってました。やっぱり冷たいのがダメなんですよ」(中2女子生徒)という声こそが、温かい給食を求めているまさに生徒の声だ。大人に届くか。
中崎久雄町長は、'14年の町長選の公約に、中学校の給食の実施を掲げて再選した。
前出・鈴木町会議員も、
「私も学校給食には賛成です」
と給食導入を支持するが、
「私は自校方式にするべきだと訴えてきました。最初の導入コストは高くなるかもしれないが、学校は災害時の避難所にも使われるわけです。プロパンですから、非常時でもガスが使える。少子高齢化社会を受け、老人向け施設になったときもそこでご飯を作ることもできる。ゆくゆくは町の財産になるものなんです」
20日の会見で、中崎町長は
「本当に子どもたちのことを思って考えてやってきたが、申し訳ない」と行政の不備を謝罪した。子どもの声に耳を傾け、改善に取り組む必要がありそうだ。