ハチロク世代が“変わり者”だらけだったのと対照的に、'93年生まれの女優はどこかおっとりとして落ち着いた印象がある。
「ハチロク世代の反動でしょう。アクの強い強烈なキャラクターばかりを見た後は、世間は逆の個性を求めるようになるんですね。“ピュアさ”が'93年生まれの女優さんたちに共通した特徴です。
ただ、ピュアといっても清純とか純粋無垢なイメージだけではありません。彼女たちは“カメレオン”でもあるんですよ。どんどん新しい役に挑戦していくし、役によってまったく違う表情を見せるんです」 (川内氏)
のん(当時は能年玲奈)や有村が出演した'13年の朝ドラ『あまちゃん』から、'93年世代の活躍が目立つようになっていった。
ガツガツと前に出ない
「のんさんは、映画『この世界の片隅に』で声優の才能もあることを示しました。有村さんは『ひよっこ』ではちょっと田舎っぽい女の子を演じていましたが、映画『ナラタージュ』では一転、激しい濡れ場に挑戦していますよ」(前出・テレビ誌ライター)
今年の夏ドラマ『黒革の手帖』で武井咲が銀座のママを演じることが発表されると、“悪女を演じるにはまだ若すぎるのでは?”と不安視する声が上がった。
「'04年に事務所の先輩である米倉涼子さんが同じ役を好演していましたから、どうしても比較されてしまいますね。でも、フタを開けてみると好視聴率をマーク。女優として新たな一面を見せたんです」(スポーツ紙記者)
活躍しているわりに、ガツガツと前に出たがる感じがしないのも彼女たちの特徴。
「ハチロク世代は競争意識が激しい時代で、個性がぶつかり合っていました。'93年生まれの女優さんたちはそれぞれのポジションをうまい具合に確立していて、似た個性がないんです。“あの娘がこうしたから私も”じゃないんですよね。自分の個性を自分で見つける世代なのでしょう」(川内氏)
写真集にも、前の世代との違いが見えるという。
「肌の露出を出し惜しみするようになったという印象はあります。清純なイメージを失いたくないんでしょう。吉岡さんはもともとグラビアをやっていましたが、女優として売れだすと一気に露出を控えるようになりましたね」(カメラマン)