おすもうさんが足を引っかけないように
メインの体育館のほか、普段は柔道場やサブの体育館として使われている場所が、翌日には力士たちの支度部屋になる。そこも含め、廊下も全域に渡って養生シートを敷くのが巡業では決まり。
「お手伝いに来た和田です!」の挨拶もそこそこ、「じゃ、そっちお願いします」と、速行で結構な重さのシートを託され、「どうもどうも」と見知らぬ女性とあいさつを交わし、シートを敷き始める。
柱のある所は切り込みを入れ、空気が入ったり、曲がらないようにビニールテープできっちり止めていく。立ったり中腰になったり膝ついたり、かなりの労働。すぐに汗がぽたぽた垂れてきた。
相撲とは関係のないような地味な作業だが、やりながらずっと尾車親方のことを思い出していた。
嘉風や天風の所属する部屋の尾車親方は5年前、
作業リーダーからも「おすもうさんはすり足で歩くからひっかけやすいんで、よく点検してくださいね」と言われ、みんなで一度貼った上をさらに踏み固めて行く。また、めちゃくちゃ地味!
作業は総勢50人ほどで行った。土俵を作る班は、呼び出し・邦夫さんを中心に土俵築きで土俵を叩きならし続ける。土俵築きのドン~ドン~という音、ああ、これが巡業を作る音なんだなぁと思った。
ゴミ箱も表示もすべて手作り
その周りではメジャーで測りながら、マス席をビニールテープで印をして囲っていく。これ、「すごく大変です」と言われ、私は逃げてしまったが、みなさん地味で大変な作業を丁寧にやっていく。