この秋おすすめの珍スポットはココ!
そんな珍スポ巡りの日々を過ごす金原さんだが、今夏、北海道を巡り終え、ほぼ日本全国を回り尽くしたという。おそらく日本一、珍スポットを知る彼女に、秋の行楽シーズンにオススメのスポットを聞いた。
「最近ハマっているのがラドン温泉なんです。涼しくなってきましたし、温泉にゆっくり入るのは気持ちいいですよ」
ラドン温泉とは、昭和の末期ごろに作られた放射能泉である。微量の放射線が含まれた温泉は病気に効くといわれていて、リウマチ、喘息(ぜんそく)、アトピーなどを患っている人が訪れる。
「作られて30年超えになっている施設が多くて、なんともいい雰囲気になってるんですよ。玄関を入ると『ラドン発生装置』と銘打たれた大きい機械が置いてあって“ゴーン……ゴーン……”って稼働してたり(笑)。すごい怪しいですけど、楽しいですよ」
ラドン温泉は、兵庫県の有馬温泉をはじめ、福島、長野、京都、広島、鳥取などに点在している。ラドンの効果のほどはさだかではないが、気は心である。最近体調がすぐれないという人は足を運んでみてはいかがだろうか?
「ほかには『安福寺』なんてオススメですね。広島にあるお寺さんなんですけど、秋に向いている珍スポットです」
広島県の田園の中にある寺院なのだが、先代の住職が手作りしたさまざまな展示物がめじろ押しだ。大量のひょうたんが展示してあったり(珍スポットらしくハレンチな形のひょうたんもあり)、資料館として江戸時代の農作業や戦時中の様子をカカシで再現している。本物の軍服や砲弾などが展示されていて、ちょっと緊張してしまう。
「いちばんオススメなのが『田園ステージ』と書かれた舞台なんです。小さな田んぼの前にステージが組まれていて、演技をしているカカシが展示されているんです。秋に行けば、稲が実っていると思うんで、秋らしい気持ちになると思いますよ」
『日本昭和珍スポット大全』に載っている安福寺の写真を見ると、かなりシュールだ。秋を楽しめるかどうかは微妙なところだが、この本には金原みわさんオススメの珍スポットがこれでもかというくらい載っている。自分好みの珍スポットを見つけて、遊びに行ってみてはいかがだろう?
<プロフィール>
かねはら・みわ◎1986年、兵庫県生まれ。全国の珍しい人・物・場所を巡る珍スポトラベラー。ラジオ関西『金原みわの珍人類白書』のメインDJ。雑誌『MeetsRegional』『デジタルカメラマガジン』にて連載中。著書に『さいはて紀行』(シカク出版)がある。
(取材・文/村田らむ)
実際に足を運んで撮影しているだけあり、写真に迫力がある。『テーマパーク』『食堂』『温泉』などのジャンル分けで紹介しており、自分の興味がある場所をピンポイントで探せる。『珍スポトラベラー』ならではのコラムも載っていて、実際に全国を回った気分にしてもらえた。旅行好きな人や、サブカルチャー文化が好きな人も楽しめる1冊だ。