内閣府の調査(2015年)を見てみると、未婚の人がいかに増えたかがわかる。

 まずは30代男性の未婚率を見てみよう。30~34歳までの未婚率は47.1%でおよそ2人に1人が未婚。35~39歳までの未婚率は35.0%でおよそ3人に1人が未婚

 女性を見てみると、30~34歳までの未婚率は34.6%でおよそ3人に1人が未婚。35~39歳までの未婚率は23.9%でおよそ4人に1人が未婚

 30代男女の未婚率の推移を見てみると、1965年から徐々に増え始め1975年からは急上昇を始め2015年でピークを迎える。

 また、国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集」(2017年改訂版)で生涯未婚率(50歳まで一度も結婚したことのない人の割合)を見てみると、1980年調査では男性は2.60%、女性は4.45%だったが、35年後の2015年には、なんと、男性が23.37%に上昇、およそ4人に1人が生涯未婚者である。女性も14.06%に上昇し、およそ7人に1人が生涯未婚者であることがわかった。

ひとりとは未婚の人のことをさすのではない

 この数字から、「老後ひとりぼっち」時代の到来が確実に予測されるが、ひとりといっても未婚の人ばかりではない。伴侶と死に別れた人、離婚した人も「ひとり」の中にカウントしないといけないだろう。そうなると、今の若い世代の人が高齢者になるときは、半数以上の人がひとりで老後を送っているといっても過言ではないだろう。

 先月12日に発表された国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2040年には全世帯の39.3%がひとり暮らしとなり、65歳以上の独居率は、男性が20.8%、女性が24.5%まで上がるという。

 団塊の世代のひとり暮らし高齢者の問題が取り上げられている昨今だが、若い人の将来のほうが、もっと深刻のように思える。

 これからは、ひとりで老後を迎え、ひとりで長生きするのを前提に人生を組み立てる必要があるのではないだろうか。ひたひたと迫る「老後ひとりぼっち」の足音を聞き逃すな。

 一昨年、SB新書から『老後ひとりぼっち』を出させていただいたが、わたしとしては、未婚だろうが、結婚してようが、子供がいようが、そんな枝葉のことは関係なく、ひとりで老いることは、みんなの共通課題だという思いで書かせてもらった。

 ひとりとは未婚の人のことをさすのではない。ウエディングベルを鳴らしたあなたのことよと、わたしは言いたい。