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 政治家や芸能人の不倫などスキャンダルを暴いてきた“文春砲”“新潮砲”に、強烈に待ったがかかりそうな雲行きだ。

「昨年末あたり、芸能プロダクション幹部から盛んに、何とかできないものか、という声が聞こえてきました。これは何か対策を打ってくるなと思っていましたが、先週あたりから騒がしくなってきましたね」

 そう明かすのは、スポーツ紙の芸能記者だ。

 不倫などのスキャンダルを週刊誌が報じることは、誰にも止められない。週刊誌に報じられたことを、テレビ局やスポーツ紙が後追い報道することがあるが、

「芸能人やプロダクション側が嫌がっているのはその“週刊誌動画”、週刊誌が本人を直撃した動画を、テレビ番組が放送することなんです。音声だけの場合もありますが、1回使用するたびに数万〜数十万円の使用料が出版社側に入ることも、“うちのタレントで金儲けして”という思いがあるようですよ」(前出・スポーツ紙記者)

 芸能プロダクションが所属する業界団体は現在、水面下で、テレビ番組の芸能デスクに、自分たちの意思を伝え、協力を仰いでいるという。

「文春にしても新潮にしても、動画や音声の使用料金によって、部数が伸びそうもない現状の穴埋めをして、収益のひとつにしようと目論んでいたのですが……」(週刊誌記者)

 芸能人のスキャンダルについてはストップがかかりそうだが、政治家やスポーツ選手などが制限されるものではない。

 週刊誌側は、どこ吹く風で「テレビ局の芸能報道を見てもらえばわかりますが、独自ネタはないし、スポーツ紙の紙面を紹介する程度。そこに新たに、“週刊誌動画”が加わって視聴率を稼いでいた。動画を使わないことで、視聴率が落ちなければいいんですけどね」と、当該誌記者は皮肉たっぷりだ。

 問題を指摘する芸能プロダクション幹部もいる。

「一律、禁止になるのはどうかと思いますし、そうはならないでしょう。芸能人が、週刊誌を使って自分の主張をする場合もあり、そういう動画はなるべく多くの露出を狙ってのものですから、テレビでも放送してもらいたい。どうなるかわかりませんが、放送できるケースとできないケース、つまりタレント側が得するかどうかが分岐点になる」

 スキャンダルさえも滋養にして成長する“タレントビジネスモデル”も、すっかり過去のものというこの頃だ。

<取材・文/薮入うらら>