斉藤由貴がいよいよドラマ復帰するという。4月放送予定のスペシャルドラマ『黒井戸殺し』(フジテレビ系)に出演が決まったようだ。
先日は、出演作『三度目の殺人』で助演女優賞を受賞した『第60回ブルーリボン賞』の授賞式にも姿を見せている。
昨年夏に起こった主治医とのW不倫騒動から半年が過ぎた。謹慎期間としては短いのか、長いのか、それとも妥当なのか意見は分かれるが、
「少なくとも芸能界では“みそぎ”は済んだと見ているのでしょう。活動自粛はしませんでしたが、NHK大河ドラマ『西郷どん』の出演は辞退し、2社あったCMも降板しました。制裁は十分に受けたということでしょう」(芸能プロ関係者)
とはいっても、ベッキーや矢口真理にくらべたらはるかに短い期間だ。
「ベッキーや矢口は別格ですね。騒動そのもののインパクトが強すぎたんです。これまでの例を見てもだいたい半年くらいで、無罪放免になっていますよ。
そもそも芸能人の不倫や浮気に本気で怒っている人なんかいませんよ。その時の空気ですから半年もすれば、みんなどうでもよくなります。それとその人物のレベルで違ってくると思います」(スポーツ紙記者)
レベルとは、この場合、芸能界での需要の度合いだ。
「一番わかりやすいのは、渡辺謙です。不倫報道が出て離婚の危機までささやかれていますが、『西郷どん』は降板しませんでした。
初めは、“けしからん”と言っている人ももいましたが、素晴らしい芝居と圧倒的な存在感で“さすがハリウッド俳優”と、視聴者をうならせ、不倫は帳消しになってしまいましたからね」(前出・スポーツ紙記者)
斉藤の場合はどうだろう。
「常に主演を張るわけではありませんが、脇役では、なくてはならない存在となっています。また、若いころからのファンに加えて、あの会見以降、“あの年になっても、色気があっていいな”とオジサンたちのファンが増えました(笑)。
タレントさんの場合は、女優さんと違って一度、休んでしまうとすぐに“イス”がなくなってしまうんです。代わりがいくらでもいますからね」(テレビ誌ライター)
ホームドラマに数多く出演し、名女優と謳われた山岡久乃さんは、あるときスキャンダルに襲われた若手女優に向かって、こう言ったという。
「そんなことでくじけていたら、女優なんかやっていけないわよ。女優になったらいろいろなことがあるんだから、それを乗り越えてこそ“いい女優だ”と言われるようになるのよ」
芸能界では使い古された言葉だが“スキャンダルを肥やし”にしなければだめだということだ。思い起こせば、山田五十鈴さん、大原麗子さん、加賀まりこ、大竹しのぶ、名女優はいろいろあった。斉藤由貴もいろいろあった。これからもあるだろう。
そうやって“名女優”への道を一歩一歩進んでいる⁉
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。